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2025.10

営業フェーズとは?商談フェーズの設計方法と組織を強くする4段階モデルを解説【2026年版】  

    営業フェーズとは、商談が受注に至るまでの進捗を段階に分けて定義したものです。「初回接触」「課題合意」「提案」「社内検討」「クロージング」のように区切ることで、案件が今どこにいるのか、次に何をすべきかがチーム全員に共有できます。

    しかし多くの組織では、フェーズが「名前だけ」で運用され、実際には感覚で動いているのが実情です。本記事では、機能する商談フェーズの設計方法と、営業組織そのものが進化していく4段階モデルを解説します。

    この記事でわかること:

    • 営業フェーズ(商談フェーズ)とは何か、機能させる設計方法

    • 成約率を左右する「社内検討フェーズ」への介入方法

    • 営業組織が進化する4段階モデルと、それを支える4つの構成要素

    1. 営業フェーズ(商談フェーズ)とは

    営業フェーズとは、商談の進捗を段階に区切って定義したものです。代表的には次のように設計します。

    1. 初回接触

    2. 課題合意

    3. 提案

    4. 社内検討

    5. クロージング

    フェーズを定義する目的は「進捗の管理」だけではありません。どのフェーズで案件が止まりやすいか=ボトルネックを特定し、改善することにあります。案件全体の管理手法はパイプライン営業とは?管理の基本・フェーズ設計・受注率改善もあわせてご覧ください。

    2. 商談フェーズの設計方法:昇格条件(Exit Criteria)を決める

    フェーズ管理を機能させるには、各フェーズの昇格条件(Exit Criteria)を明確にすることが必須です。

    例えば、

    • 「①初回接触」→「②課題合意」の昇格条件:顧客が自社課題を言語化し、次回商談のアポが確定している

    • 「③提案」→「④社内検討」の昇格条件:提案書を関係者全員が確認済み、予算感の確認が取れている

    昇格条件がないと「感覚で動いている」だけになり、フェーズ管理の意味がなくなります。逆に条件が明確なら、「このフェーズに留まっている理由は何か」を全員が同じ基準で議論できるようになります。

    3. 「社内検討フェーズ」への介入が成約率を左右する

    コレタ調査では「営業不在での社内検討が73.9%」という実態があります。これが示すのは、「③提案」から「⑤クロージング」の間にある「④社内検討」フェーズが最大の死角だということです。

    多くの営業担当者は提案後のフォローを「電話 or メールで確認」に頼っていますが、調査では67.2%の購買担当者が営業からの電話に出ない(コレタVol.2、n=250)という結果が出ています。つまり、最も重要なフェーズで、最も届かない手段を使っているのです。

    この死角を埋めるのがDSR(デジタルセールスルーム)の活用です。提案資料を共有したURLへのアクセスログを見ることで、「誰が・いつ・何を見たか」が可視化され、社内検討フェーズへの適切な介入が可能になります。仕組みの詳細はデジタルセールスルーム(DSR)とは?機能・導入効果・選び方、意思決定者へのアプローチは決裁者とは?意思決定者との違い・見極め方で解説しています。

    4. 営業組織を強くする4段階モデル

    商談フェーズの設計と並行して理解しておきたいのが、営業組織そのものが進化する4つの段階です。自社が今どの段階にいるかを知ることで、次に打つべき手が明確になります。

    フェーズ① 属人営業期:成果が個人に依存する段階

    このフェーズの典型的な状態:

    • 商談の進め方が各人でバラバラ

    • 資料が個人管理で統一されていない

    • 顧客情報は頭の中やノートに散在する

    • 受注・失注の理由が明確でない

    この段階でやるべきことは、高度な仕組み化ではありません。まず「売れている人の行動・言葉・思考を言語化すること」がスタートになります。

    • トップ営業が顧客から信頼を得た瞬間はどんな発言をしていたか

    • 顧客が動いた一言・確認事項は何か

    • よく使う質問の構造は何か

    これらを観察・ヒアリングで抽出し、「勝ちトーク集」を作ることが最初の投資になります。

    この段階の具体的な抜け出し方は属人営業から抜け出す最速の方法──小さな成果を積み上げる改善アプローチで、属人化の原因・リスクの全体像は営業の属人化とは?原因・リスク・解消する5つのステップで詳しく解説しています。

    フェーズ② 可視化営業期:活動データが「共通言語」になる段階

    次の段階では、営業の活動や成果を「見える化」します。SFAやDSRを活用し、商談データや顧客の行動を取得する段階に入ります。

    最重要は「感覚ではなくデータで営業を語る文化をつくること」です。週次の営業会議では、「たぶん進んでいます」「おそらく前向きでした」といった主観ではなく、「提案書は3人が閲覧、うち役員が2回見ています」という会話が主流になります。可視化によって、初めて営業チームは「共通の認識」に立つことができます。

    コレタの調査では、「購買判断で最も参考にした情報源として営業担当者の説明を挙げた購買担当者はわずか11.1%で最下位(Vol.1)」でした。口頭説明に頼っている状態を脱し、顧客行動データで「何が刺さっているか」を把握することが、このフェーズの核心です。

    フェーズ③ 仕組み営業期:勝ちパターンが組織に埋め込まれる段階

    可視化が進むと、次に必要なのはデータをもとに「再現性のある仕組み」を作ることです。このフェーズが営業変革の「壁」となることが多いのですが、最も成長が実感できるフェーズでもあります。

    このフェーズでやること:

    • トップ営業の成功トークや聞き方を構造化する

    • 商談プロセスをチェックリスト化し、SFAのフェーズを統一する

    • 成功資料をテンプレートとして全員が使える状態にする

    • 商談解析AIでトップ営業の行動を形式知化する

    「うまくいった理由」も「失敗した理由」も明確になり、改善の速度が大幅に上がります。

    コレタ調査では、「購買担当者の72.8%が営業の提案が自社課題に合っていないと感じたことがある(Vol.1)」という実態があります。これは「提案品質の属人性」の問題です。仕組み営業期では、この属人性をテンプレートと型化で解消します。型化の進め方はセールスイネーブルメントの型化で解説しています。

    フェーズ④ 自律営業期:AIとデータで営業が自己進化する段階

    最終フェーズでは、組織が自ら学び改善し続ける「自律型」の運営が可能になります。

    • 商談解析AIが毎週成功パターンを抽出

    • DSRの閲覧ログで資料を継続的に自動改善

    • SFA・DSR・商談データを統合し成功要因レポートを生成

    • 営業担当者自身がデータをもとに改善策を提案

    つまり、営業組織が「仕組みに使われる側」ではなく、「仕組みを育てる側」に変わっていく状態です。

    → 関連記事:AI営業とは?活用シーン・ツールの選び方・導入ステップ

    5. 営業組織の成長を支える4つの要素(People / Process / Data / Contents)

    4つのフェーズを横断して、営業組織の変革を支える「4つの構成要素」があります。これらはフェーズごとに成熟度が高まり、相互に強く影響し合います。

    要素

    内容

    属人営業期での焦点

    People

    営業のスキル・行動・マインド

    トップ営業の思考を言語化・共有する

    Process

    商談の進め方・フェーズ設計

    共通の「流れの型」を描く

    Data

    商談記録・顧客行動データ

    まず「後から見返せる」最低限の記録

    Contents

    提案資料・トーク

    顧客に刺さった資料と話法を抽出する

    Peopleは営業組織の中心であり、最も重要な要素です。同時に、最も属人化しやすい領域でもあります。だからこそ、Process・Data・Contentsで支える設計が必要になります。

    6. まとめ:フェーズを「名前」で終わらせない

    • 営業フェーズとは、商談の進捗を段階に分けて定義したもの。目的は進捗管理ではなくボトルネックの特定

    • フェーズを機能させる鍵は昇格条件(Exit Criteria)の明確化

    • 成約率を左右するのは「社内検討フェーズ」。営業不在での社内検討が73.9%、電話に出ない購買担当者は67.2%

    • 営業組織は属人営業期 → 可視化営業期 → 仕組み営業期 → 自律営業期の4段階で進化する

    • 4段階を支えるのが People / Process / Data / Contents の4要素

    まずは自社が今どのフェーズにいるかを見極め、次の段階に必要な一手から着手しましょう。

    よくある質問(FAQ)

    Q1. 営業フェーズとは何ですか?

    A: 営業フェーズとは、商談が受注に至るまでの進捗を段階に分けて定義したものです。「初回接触」「課題合意」「提案」「社内検討」「クロージング」などに区切ることで、案件が今どこにいるか、次に何をすべきかをチームで共有できます。目的は進捗管理だけでなく、どこで案件が止まるか(ボトルネック)を特定することにあります。

    Q2. 商談フェーズはどう設計すればいいですか?

    A: 各フェーズの「昇格条件(Exit Criteria)」を明確にすることが必須です。例えば「初回接触→課題合意」なら「顧客が自社課題を言語化し、次回アポが確定している」といった具体条件を定めます。条件がないと感覚で動くだけになり、フェーズ管理が形骸化します。

    Q3. どのフェーズで案件が止まりやすいですか?

    A: 「提案」と「クロージング」の間にある社内検討フェーズが最大の死角です。コレタ調査では営業不在での社内検討が73.9%にのぼり、しかも67.2%の購買担当者は営業からの電話に出ません。ここを可視化できるかが成約率を左右します。

    Q4. 営業組織の4段階モデルとは何ですか?

    A: 営業組織が進化する4つの段階です。①属人営業期(成果が個人に依存)②可視化営業期(活動データが共通言語になる)③仕組み営業期(勝ちパターンが組織に埋め込まれる)④自律営業期(AIとデータで自己進化する)。自社の段階を知ることで、次に打つべき手が明確になります。


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    最終更新: 2026年6月 | デジタルセールスナビ編集部


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    著者紹介:佐藤啓介(さとう けいすけ)

    株式会社エヌケーエナジーシステム/コレタ事業部 セールスエキスパート。
    SaaS営業・フィールドセールス・営業マネジメントに精通。
    営業DX推進・営業育成の両面から、企業の「属人営業脱却」を支援。
    現場で得た知見を「セールスハックナビ」やX(@keisuke_ssato)、noteで発信中。
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