はじめに:分業のはずが、チームが分断されていくTHE MODEL型の営業体制は、BtoB営業における再現性の象徴です。マーケティングがリードを獲得し、インサイドセールス(以下、IS)が商談を創出し、フィールドセールス(以下、FS)が受注を担う——。いわゆる「分業による効率化」を実現する仕組みです。しかし、実際にこの体制を運用している営業組織の多くが、こんな課題を抱えています。「ISとFSのKPIが噛み合わない」「数を追う文化と、質を重視する文化がぶつかる」「商談数は増えているのに、売上が伸びない」原因は、分業そのものではなく、KPI設計の断絶にあります。今回は、コレタの実体験をもとに、ISとFSのKPIをどう設計すべきかを解説します。なぜISとFSのKPIはズレるのか?THE MODEL型の分業に潜むKPIの罠多くの組織では、次のようなKPIが設定されています。役割一般的なKPIフォーカスインサイドセールス架電数・商談設定数数(活動量)フィールドセールス受注率・売上質(成果)一見合理的に見えますが、これが“分断”の起点になります。ISは「商談をつくること」をゴールとし、FSは「受注を取ること」をゴールとする。つまり、KPIが異なる方向を指しているのです。その結果、ISは「数を稼ぐこと」が目的化し、FSは「質の低いリードが多い」と不満を持つ。KPIは本来、チームをつなぐ“共通言語”であるべきなのに、気づけばチームを“分ける壁”になってしまいます。“良い商談”を定義することから始めようKPIを変える第一歩は、“良い商談”の定義をチームで共創することです。ある企業では、全営業メンバーがホワイトボードを囲み、「良い商談とは何か?」を徹底的に議論しました。最初は意見がバラバラでしたが、最終的に辿り着いたのはこの視点でした。「顧客が自社の課題を正確に理解し、その解決に向けて共に考えられる状態が、良い商談である」つまり、“商談の質”とは「顧客理解の深さ」なのです。この定義を中心に置くことで、ISとFSの“評価軸”が自然と揃っていきます。商談数から“商談の質”へ――KPI再設計の実践共通KPI「SQL→受注率」でチームをつなぐコレタでは、次のようにKPIを変更しました。役割旧KPI新KPIIS商談数(アポ件数)商談化率+共通KPI(SQL→受注率)FS受注率・売上フェーズ移行率+共通KPI(SQL→受注率)つまり、共通KPI(SQL→受注率)を導入し、ISとFSが同じゴールを見据える設計に変えたのです。「バトンの受け渡し」ではなく、「リレーの完走」として成果を捉える。この意識転換により、部門間の分断は自然と消えていきました。データドリブンでKPIを進化させる顧客行動データの可視化が商談を変える“商談の質”を定義したら、次は顧客データをKPIに組み込むフェーズです。たとえば、コレタのデジタルセールスルーム(DSR)では以下が可視化できます。顧客がどの資料を、何回閲覧したか動画のどの部分で離脱したかどのページを再訪問したかこれらの行動データをISとFSが共有することで、商談における“顧客の温度感”を共通認識にできます。Slackでは、こんな会話が生まれるようになりました。「この顧客、動画を最後まで見てくれてます」「3回閲覧してる資料があるので、そこを深掘りしよう」数字の報告から、顧客理解の共有へ。データが“対立軸”ではなく、“共通言語”になる瞬間です。KPI再設計の3ステップステップ具体的アクションゴール① 定義する「良い商談とは何か?」をチームで議論評価軸の統一② 共通化するIS・FSで共通KPIを設計(例:SQL→受注率)ゴールの共有③ 可視化する顧客行動データを活用し、商談の質を測定改善の自走化このプロセスを踏むと、KPIが単なる管理指標から、チーム文化を形づくる“哲学”へと進化します。KPIが変わると、チームの文化が変わるKPI再設計から3ヶ月後、数字より先に変わったのは「空気」でした。ISが自然にFSへ進捗を確認するFSがISに「このリード決まりました」と報告するSlackの会話が「責任」ではなく「改善」に変わる以前は“自分のKPIを守る”ための議論が多かったのが、今では“顧客を理解するための議論”に変わりました。顧客体験を軸にKPIを設計する時代へTHE MODELは「効率化」には優れていますが、顧客体験を分断するリスクもあります。これからのKPIは、チーム単位ではなく顧客単位で設計されるべきです。従来型顧客起点型部署別のKPI(IS・FS・CS)顧客行動を起点としたKPI内部プロセス中心購買体験中心定量的な数値のみ行動×感情の可視化顧客がどの資料を見たのか、どのタイミングで動画を視聴したのか、何に反応し、何に迷っているのか——。こうした購買行動データをもとに、KPIを“顧客との対話”の指標に変えていく。それが、データドリブン営業の次のステージです。KPI設計チェックリストあなたのチームのKPIは、次の5つの問いに答えられますか?ISとFSのKPIが「同じ方向」を向いているか?KPIが“数”だけでなく“質”を測っているか?顧客理解を評価指標に含めているか?KPIをもとにした学びの共有があるか?KPIがチームの哲学を表しているか?どれか一つでも「いいえ」なら、再設計の余地があります。KPIは数字ではなく、チームが何を大切にするかの表明だからです。まとめ|KPIはチームを評価するものではなく、つなぐものKPIを変えることは、チームの文化を変えること。「商談数」から「商談の質」へ——このシフトが、分業体制に“共通の目的”をもたらします。数を追う時代は終わり、これからは顧客理解を追う営業組織へ。ISとFSが共通KPIのもとで動くことで、数字ではなく信頼が積み上がっていきます。KPIは、チームを評価するためではなく、チームをつなぐために存在する。あなたの営業組織にとっての「良い商談」とは何か。そこから、KPI設計を見直してみてください。今すぐできるアクションチームで“良い商談”の定義を話し合うIS・FS共通のKPIを1つ設定する(例:SQL→受注率)顧客行動データを可視化するツールを導入する顧客理解を可視化できるデジタルセールスルーム「コレタ for Sales」とはKPIを再設計することで、チームは「数」を超えて「信頼」でつながる。商談の質を可視化し、顧客理解を軸に営業をアップデートしたい方は、👉 デジタルセールスルーム「コレタ」を今すぐチェック