結論:数字を見る前に、定義をそろえよ営業組織が「可視化」に取り組むとき、多くの企業が最初にやることは次のどちらかです。KPIを設定するSFAの入力ルールを決めるしかし、その前に必ずやるべきことがあります。それは、商談が「どこまで進んでいる状態なのか」をチーム全員が同じ意味で理解できるようにすることです。これが揃っていない状態で数字を見ても、会話はかみ合いません。「この案件は進んでいる」「いや、まだ早い」「感覚的にはいけそう」こうした議論が起きるのは、商談フェーズと進行基準が定義されていないからです。可視化営業期におけるProcessの役割は、商談の流れを「管理」することではありません。誰が見ても、同じ基準で商談の進捗を評価できる状態を作ること。本記事では、そのための具体的な考え方と実践方法を解説します。1. 可視化営業期とは何か(フェーズ1との違い)フェーズ1(属人営業期)では、次のような課題がありました。商談の進め方が人によって違う成果判断が感覚的どこで失注しているか分からないそのためにやったのが、商談の流れを“型”にするとりあえずこの順番でやる、という最小型を共有するでした。フェーズ2(可視化営業期)では、一段階レベルが上がります。フェーズ2のテーマ商談を「見える状態」にするチームで共通の認識を持つ感覚ではなく、データで営業を語るこのとき、Processは「商談の流れ」から「商談の進行基準」へと進化します。フェーズ2「可視化営業期」の詳細はこちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。https://www.coleta.jp/digitalsalesnavi/kashika2. 可視化できない営業組織で起きていること可視化営業期に入れていない組織では、次のような状態がよく見られます。案件進捗が感覚的どこで止まっているか分からない上司と部下で認識がズレる進捗会議が報告会で終わるこれは能力の問題ではありません。Processが未定義だからです。3. 可視化営業期のProcessが担う役割可視化営業期におけるProcessの目的は、非常にシンプルです。営業プロセスを、誰でも同じ基準で評価できる状態にすることその結果として、案件の停滞を早期に発見できる抜け漏れを防げる進捗会議の質が上がるという効果が生まれます。4. 可視化営業期のProcess設計:全体像可視化営業期のProcessは、以下の3ステップで設計します。商談フェーズを定義する各フェーズに「進行基準(昇格条件)」を設定するデータ(DSR / SFA)を使って進捗を確認するここから、それぞれを詳しく見ていきます。5. ステップ① 商談フェーズを定義するまずやるべきは、商談フェーズを明確に分けることです。ポイントは、「営業の都合」ではなく顧客の意思決定プロセスに沿って定義することです。商談フェーズ例(5段階)課題合意解決策検討比較・選定社内稟議受注このフェーズ定義があるだけで、どこまで進んでいるか次に何が必要かが明確になります。6. ステップ② 各フェーズに「進行基準(昇格条件)」を明記するフェーズを定義しただけでは、まだ可視化とは言えません。次に必要なのが、各フェーズを「いつクリアしたと言えるのか」を決めることです。これを、本記事では進行基準(昇格条件)と呼びます。進行基準の例課題合意フェーズ顧客が課題を社内で合意できている解決策検討フェーズ顧客が解決策の方向性に納得している比較・選定フェーズ比較対象と評価軸が明確になっている社内稟議フェーズ稟議プロセスと決裁者が特定できている重要なのは、「営業が説明した」ではなく「顧客側で何が起きているか」で定義することです。7. なぜ進行基準がないと案件は停滞するのか進行基準がないと、案件は次のような状態に陥ります。フェーズは進んでいるが、実態は進んでいない何をすれば前に進むか分からない気づいたら止まっているこれは、営業自身が「今どこにいるか」を把握できていない状態です。進行基準は、営業のためのチェックポイントでもあります。8. ステップ③ DSR・SFAのデータを使って進捗を見るフェーズと進行基準が定義できたら、初めて「データを見る意味」が生まれます。可視化営業期で見るべきデータ各フェーズの案件数フェーズ滞留期間昇格できていない理由DSRでの資料閲覧・関心データここで重要なのは、数字を評価に使うことではありません。数字は、「どこで・なぜ止まっているか」を発見するためのものです。9. 成果物として何が残るのか可視化営業期のProcess設計を行うと、次のような成果物が自然に生まれます。商談フェーズ定義表フェーズ別進行基準(チェックリスト)案件停滞レポート(SFA自動抽出)これらは、単なる資料ではなく営業組織の共通言語になります。10. 進捗会議が変わる理由Processが可視化されると、進捗会議の質が劇的に変わります。Before感覚的な報告「頑張ってます」「たぶんいけます」Afterどのフェーズで止まっているかなぜ昇格できていないか次に何をすべきか会議が「報告」から改善の場に変わります。11. 可視化営業期で大事なコツ最後に、可視化営業期のProcess設計で特に重要なポイントを整理します。数字を見る前に定義をそろえるフェーズは少なく、分かりやすく進行基準は顧客視点で完璧を目指さないProcessは「管理」のためのものではありません。チームの精度を上げるための道具です。12. まとめ:可視化営業期のProcessは「共通の物差し」を作ること本記事の要点をまとめます。可視化営業期では、商談を「見える状態」にすることが最優先そのために必要なのが、商談フェーズと進行基準の定義定義がそろえば、数字は自然に意味を持つ感覚営業から、データで語る営業へ進化できるフェーズ1で「型」を作り、フェーズ2で「基準」をそろえる。この2つが揃って初めて、営業は本当に可視化されます。次の記事予告次回は、可視化営業期のContents編として、DSRを使った資料共有閲覧ログの活用顧客の関心をどう見抜くかを解説します。