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2025.10
営業リソース不足の解決策——人を増やす前に見直すべき仕組みと5つのアプローチ【2026年版】

「人が足りない」という言葉が営業組織で飛び交うとき、その多くは「リソース不足」ではなく「リソースの使い方の問題」だ。コレタが実施した独自調査(n=180、2026年1月)によると、購買担当者が購買判断で最も参考にした情報源として「営業担当者の説明」を挙げた割合はわずか11.1%で最下位だった。
にもかかわらず、多くの営業担当者は顧客への説明・資料作成・フォロー電話に膨大な時間を費やしている。顧客が求めていない活動にリソースを注ぎ込み、「時間が足りない」と感じているのが現実だ。
本記事では、営業リソース不足の構造的原因を明らかにし、人を増やす前に見直すべき仕組みと5つの実践的解決策を解説する。
少人数で成果を出すための時間の使い方は、営業の生産性向上|「行動量を増やす」が逆効果になる理由で解説しています。
「営業リソースが足りない」は本当か?実態から考える
リソース不足を感じる背景にある構造的な誤解
「人が足りない」と言う前に、次の問いを立てることが重要だ。
「今、営業担当者の時間はどんな業務に使われているか?」
多くの営業組織では、本来の「顧客と対話する時間」より、商談後の報告書作成・重複入力・社内調整・資料送付の手配などのバックオフィス的業務に多くの時間が費やされている。
ある調査では、営業担当者が「純粋に顧客と向き合う活動(商談・架電・顧客訪問)」に費やしている時間は、総労働時間の30〜40%程度に過ぎないというデータがある。残り60〜70%は非売上直結業務だ。
この実態を踏まえると、「リソースが足りない」のではなく「リソースが適切に配分されていない」というケースがほとんどだ。
「電話フォロー」「資料配布」へのリソース投下が機能しなくなっている
コレタ独自調査Vol.2(n=250、2026年3月)によると、BtoB購買担当者の67.2%が「営業担当者からの電話には商談中も含めて出ない」 と回答している。
しかし多くの営業チームは今もなお「商談後3日以内に電話でフォロー」を標準的なアクションとして設定している。成果の出ない行動にリソースを割き続けていることが、「人が足りない感覚」を生んでいる可能性がある。
また、同調査では57.1%の購買担当者が「営業担当者から受け取った資料を、自分で加工・翻訳して社内の関係者に転送している」 ことも明らかになった。担当者が手作業で転送しているということは、最初から「社内で共有しやすい形で届ける」設計ができていないということだ。この「資料の再作業」に費やされる時間は、顧客・担当者双方のリソースを消耗させている。
営業リソース不足を引き起こす5つの構造的原因
リソース不足の本質を理解するために、原因を5つに整理する。
原因①:営業活動の「属人化」による非効率
情報共有やノウハウが個人に依存しており、他のメンバーが代替できない状態。トップ担当者の商談スタイルが再現されないため、チーム全体のパフォーマンスが低く、一部の人に負荷が集中する。
→ 関連記事:営業の型化とは?再現性を高める4ステップと具体例
原因②:顧客セグメント別の優先順位が曖昧
成約確度・顧客価値に関わらず、すべての顧客に同等のリソースを投下している。その結果、受注に近い顧客よりも「とにかく返事が早い顧客」への対応に時間が取られるという逆転が起きる。
原因③:非営業業務の肥大化
商談録音・議事録作成・CRM入力・提案書作成・社内承認フローなど、売上に直結しない業務が積み重なっている。「システムへの入力のために残業する」状況は、本末転倒だ。
原因④:マルチステークホルダー対応の非効率
BtoBでは意思決定者が複数人存在する。現場担当者への提案のみで商談が進まないと、その後の「再説明・追加資料作成・決裁者へのアプローチ設計」に多くの工数がかかる。
コレタ独自調査Vol.1(n=180)では、「購買担当者の73.9%が営業担当者の不在でも社内検討を進めている」 一方、「意思決定に関与する全員に営業の提案が届いていない」と感じた購買担当者が72.8% に上った。営業がいない場での検討を支援できていないことが、商談の長期化と追加工数を生んでいる。
→ 関連記事:決裁者とは?意思決定者の見極め方・アプローチ法
原因⑤:「成果につながるデータ」が可視化されていない
どの活動が成約につながるか、どのフェーズで案件が止まっているか、がデータで見えない。感覚でアクションを決めるため、効果の薄い活動に人が割かれ続ける。
→ 関連記事:パイプライン営業とは?管理の基本・フェーズ設計・受注率改善
「人を増やすこと」が悪手になる3つのケース
リソース不足を感じると「採用を増やせば解決する」と考えがちだ。しかし、仕組みが整っていない状態で人を増やすと、むしろ非効率が加速するケースがある。
ケース①:質の低いリードが増加し、受注率が低下した
人を増やして活動量を増やした結果、リード数は増えたが成約率が低下。商談は多いが受注が伴わない状態になり、人件費だけが増えるという事態が発生した。
根本原因: リードの質(成約確度・顧客価値)ではなく量をKPIにしていた。
対策: リードスコアリングを導入し、「顧客価値×成約確度×接触状況」の3軸でアクションの優先度を決める。人を増やす前に「何に時間をかけるべきか」の基準を整備する。
ケース②:育成基盤が整わないまま急拡大し、現場が崩壊した
採用ペースに育成が追いつかず、OJT負荷が既存メンバーに集中。売れる営業担当者が教育に時間を取られ、売上が逆に低下するという逆転現象が起きた。
根本原因: 営業の「型化・マニュアル化」なしに採用だけを先行させた。
対策: 採用の前に、教育コンテンツ・商談テンプレート・トーク台本・FAQ集を整備する。採用後の立ち上がり速度を仕組みで短縮できる状態にしてから、採用を増やす。
→ 関連記事:営業の型化とは?再現性を高める4ステップ
ケース③:ターゲット外への営業が顧客対応コストを爆増させた
個人の判断でターゲット外の顧客へ売り込んだ結果、クレーム・解約・問い合わせ対応が増加。本来の営業活動が圧迫され、全体のリソースが顧客対応に吸われるようになった。
根本原因: ターゲット顧客の定義とCRMでのアラート設定が機能していなかった。
対策: 理想顧客プロファイル(ICP)を明確にし、外れる案件は早期に切り離す判断基準を組織で共有する。
営業リソース不足を解決する5つのアプローチ
人を増やす前に取り組むべき5つの施策を、優先度の高い順に解説する。
アプローチ①:現状の「時間の使い方」を可視化する
最初のステップは、現場の営業担当者が1週間の時間をどんな業務に使っているかを可視化することだ。一般的なBtoB営業チームの時間配分の実態を把握するだけで、改善余地が見えてくる。
具体的には以下のデータを業種別・担当者別に集計する。
商談数と1商談あたりの準備時間
商談後の報告・入力にかかる平均時間
1件の受注までのフォロー回数・通数
成約率とフォロー率
これらを分析すると、「どの工程にボトルネックがあるか」「どの活動が成約に最も寄与しているか」が明確になる。「忙しい」は感覚、「どこで時間が消えているか」はデータで把握すべき事実だ。
アプローチ②:「やめる業務」を決める
可視化ができたら、次は「やめるもの」を決める。リソース最適化の本質は、新しいことを始めるより「やめること」にある。
典型的なやめるべき業務:
電話フォローの全量実施 → 顧客の行動シグナルに連動したフォローに切り替える
フォーマットのない提案書の毎回ゼロ作成 → テンプレート化・モジュール化する
全員参加の情報共有ミーティング → 非同期ツールでの共有に移行する
成約見込みの低い案件への均等対応 → 優先度スコアに基づく選択集中に移行する
「削減する」という意思決定をマネージャーが明示的に行わないと、現場は慣性で同じことをやり続ける。
アプローチ③:優先順位を「勘」ではなく「構造」で決める
次に行うべきは、案件の優先度付けの仕組み化だ。主観的な「感覚でホットな案件」から脱し、以下の3軸でスコアリングする。
顧客価値(契約単価・拡張性・リファレンス価値)
成約確度(ヒアリング充足度・決裁者との接触状況・競合状況)
直近の行動シグナル(資料閲覧状況・返信速度・次回アポ合意有無)
このスコアに基づいてアクションを決めると、「ハイスコア案件に集中・ロースコア案件のリソース削減」が自然と実現される。
→ 関連記事:BtoB成約率を上げる施策15選
アプローチ④:デジタルツールで「商談外のリソース消費」を削減する
商談後のフォローや資料共有に多くの時間が費やされている場合は、コレタのようなDSR(デジタルセールスルーム)の活用が有効だ。
DSRを導入すると、以下が実現できる。
提案資料・議事録・事例・FAQ・動画を1URLにまとめて共有 → メールの添付ファイル往復が激減
顧客がいつ何を閲覧したかをリアルタイム追跡 → 感覚でのフォローから行動シグナル連動のフォローへ
複数の意思決定者が同じURLで情報確認できる → 担当者が翻訳・加工する作業が不要になる
商談録画・AI要約で議事録作成時間がほぼゼロに → 入力・報告工数が激減
購買担当者の78.0%が「自分のペースで資料を確認できる環境を求めている(コレタVol.2)」という現実に合わせた情報提供が、双方のリソースを節約しながら商談を前に進める。
→ 関連記事:デジタルセールスルーム(DSR)とは?機能・導入効果・選び方 → 関連記事:顧客エンゲージメントとは?BtoB営業で高める方法・測定指標
アプローチ⑤:「共有する文化」と「再利用できる仕組み」を作る
最も長期的で重要な取り組みが、組織の情報共有文化の整備だ。属人化した情報をオープン化し、成功事例・失敗事例・テンプレートを全員が活用できる状態にする。
具体的なアクション:
商談で得た気づきをその日のうちにチームに共有する習慣
成功した提案書・トークスクリプトのテンプレート化と更新ルール策定
CRM入力ルールのシンプル化(「活用するためのCRM」vs「入力させるためのCRM」の違いを明確に)
部門をまたいだデータ共有の場の定期設置
この文化が定着すると、「ベテランだけが知っているノウハウ」がなくなり、新人が立ち上がる速度も上がり、離職時のリスクも低減する。
→ 関連記事:AI営業とは?活用シーン・ツール比較・導入ステップ
実例:株式会社HR Force——準備時間1/6・有効商談化率2倍を実現
採用マーケティングツール「Recruiting Cloud」などを提供する株式会社HR Forceは、以下の課題を抱えていた。
顧客とのやり取りが煩雑で、資料の送付ミスが頻発
顧客の検討状況が可視化されず、商談がブラックボックス化
新人育成に工数がかかり、教育コストが圧迫
そこでデジタルセールスルーム「コレタ for Sales」を導入した。
結果:
有効商談化率:17% → 33%(約2倍)
商談の準備時間:従来の1/6に短縮
新人メンバーの育成・教育コストの削減を実現
顧客の検討状況が可視化され、フォロータイミングが最適化
同社の担当者は「今やコレタなしでは成り立たない」と語っており、ツール導入が単なる効率化にとどまらず、営業組織の設計そのものを変えた事例となっている。
商談準備時間が1/6になったという数字が示すのは、「空いた時間が顧客との対話に使えるようになった」ということだ。人を増やすことなく、営業稼働率を最大化した好例だ。
→ 関連記事:DSR導入ROI:成約率・商談サイクルへの効果を定量化する
コレタ for Salesで営業リソースを最大化する具体的な流れ
コレタ for Salesを活用した営業プロセスを具体的に示す。
Step1:商談準備の自動化 企業リサーチ・担当者情報・過去の接触履歴をコレタが自動集約。営業担当者は準備済みの情報をもとに商談をスタートできる。情報収集という「時間がかかるが価値を生みにくい業務」を圧縮できる。
Step2:商談の自動録画・文字起こし・AI要約 商談を録画し、AI要約で「顧客の懸念事項」「次回確認すべき点」「成約の障壁」を自動抽出。議事録作成にかかる時間をほぼゼロにしながら、フォローアップの質が向上する。
Step3:SFAへの自動更新・タグ付け 商談で発言された重要キーワードや課題をAIがタグ化し、SFAに自動で更新。CRM入力という「やらされ感の強い業務」から担当者を解放し、入力精度も上がる。
Step4:顧客の閲覧行動トラッキング 提案資料・動画・ROI試算ツールへのアクセス状況をリアルタイムで把握。「今一番アクティブな顧客」が可視化され、優先すべきフォロー先が自動的に絞り込まれる。
結果:顧客と折衝する営業時間が従来の2倍に
これは「人を2倍にした」ことと同義だ。採用コスト・育成コストゼロで、リソースを実質的に倍増させるアプローチがDSR活用の本質にある。
→ 関連記事:デジタルセールスルームのランキング・比較2026年版 → 関連記事:バイヤーイネーブルメントとは?顧客の購買を支援する営業戦略
リソース最適化を組織に定着させるための3ステップ
施策を単発で実行するだけでは、組織のリソース問題は根本から解決しない。以下の3ステップで「仕組み」として定着させることが重要だ。
Step1:週次で「どこに時間が使われているか」を確認するルーティンを作る
マネージャーが週次レビューで「各担当者の活動時間の内訳」を確認し、非営業業務が増えている担当者に早期にアラートを出す。パイプライン管理ツールやCRMの活動ログを活用する。
Step2:「やめる業務リスト」を3ヶ月ごとに更新する
定期的に「やめても成果に影響がない業務」を棚卸しし、チームで合意してリストから削除する。一度決めても惰性で継続してしまうことが多いため、定期的な見直しが必要だ。
Step3:成果の出たリソース配分を「型」として全員に展開する
成約率の高い担当者が「どの活動にどれだけ時間を使っているか」を分析し、その配分をチーム標準として設定する。「型化」はノウハウだけでなく「時間の使い方」にも適用できる。
→ 関連記事:営業の型化とは?再現性を高める4ステップ
まとめ:「人が足りない」を思考停止ワードにしない
営業リソース不足の本質は、ほとんどのケースで「人の数」ではなく「仕組みとリソース配分」の問題だ。
今すぐ実践できる3つのアクション:
直近1ヶ月の時間の使い方を可視化する ── 担当者別の「商談vs非商談時間比率」を集計する
「やめる業務」を1つ決めて今週から実施する ── 電話フォロー全量廃止、または毎回ゼロの提案書作成廃止
閲覧ログで「今最もアクティブな顧客」を特定し、そこに集中する ── コレタのDSRを1案件から試す
限られたリソースで成果を出し続ける組織の共通点は、「人が少ない」を言い訳にせず、「どこに時間を使うか」を常に問い直している点にある。その問い直しを支える仕組みが、長期的なリソース最適化の基盤になる。
よくある質問(FAQ)
Q1. 営業リソース不足はなぜ起きるのですか?
A. 多くの場合、「人の数が足りない」のではなく「リソースの使い方が最適化されていない」ことが原因です。具体的には、非営業業務(報告書作成・CRM入力・社内調整)への時間投下過多、成約確度に関わらずすべての案件への均等対応、ノウハウの属人化による個人負荷集中、の3つが主な要因です。これらを解決すれば、採用なしでも「実質的なリソース」を増やせます。
Q2. 営業の効率化で最初に取り組むべきことは何ですか?
A. 最初に行うべきは「現状の時間の使い方の可視化」です。担当者が1週間でどんな業務に何時間使っているかを数値で把握し、「成果に直結しない業務」「自動化できる業務」「やめても影響がない業務」を分類します。この可視化なしにツールを導入しても、効果は限定的です。
Q3. 人を増やせば営業リソース問題は解決しますか?
A. 仕組みが整っていない状態での採用は、むしろ非効率を拡大するリスクがあります。質の低いリードが増えて受注率が低下したり、育成負荷が既存メンバーに集中して売上が下がるケースもあります。まず「1人あたりの生産性を上げる仕組み」を整え、それでも足りなくなったタイミングで採用を検討することが正しい順序です。
Q4. 少人数の営業チームでもDSRは効果がありますか?
A. むしろ少人数チームほど効果が高いです。3〜5名の営業チームでコレタを導入した場合、商談準備・議事録作成・フォロー管理など1人あたりの管理工数が大きく削減され、顧客との対話時間に再配分できます。HR Forceの事例(準備時間1/6)は小規模チームでの効果を示しています。
Q5. CRMを導入したが、入力負荷が増えるだけで効果が出ません。どうすればよいですか?
A. CRMは「情報の倉庫」に過ぎず、活用の設計が伴わないと負担になります。改善のポイントは3つです。①入力項目をシンプルに絞る(担当者が迷わない設計)、②マネージャーがCRMデータを基に週次で優先順位をフィードバックする運用を作る、③コレタのように商談データをAIが自動入力する仕組みを導入する。「入力させるためのCRM」から「活用するためのCRM」に設計を転換することが重要です。
Q6. 「営業の型化」と「リソース不足解消」はどう関係しますか?
A. 型化はリソース問題解決の最強手段の一つです。トップ担当者の商談スタイルを型化すると、①新人が立ち上がる速度が上がり育成コストが削減できる、②ベテラン頼みの状態が解消され特定人材への負荷集中が緩和できる、③テンプレート化された資料・トーク・フォロー設計が「毎回ゼロから作る工数」を削減できる——という3つの効果でリソースが解放されます。

