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2026.05
営業が営業であるために──AI時代に人が担う本当の価値とは【デジタルセールスの教科書・終章】

AIが商談準備・議事録・後追いをすべて自動化し、顧客の購買サインをデータで可視化する時代になりました。そのなかで、「営業担当者が果たすべき本当の役割は何か」という問いは、ますます重要になっています。答えは明確です──AIが担うのは「判断の高速化」であり、人が担うのは「関係の深化」です。 ツールが進化するほど、人間にしか生み出せない信頼・共感・洞察の価値が際立つ。これがデジタルセールス時代の本質です。
この記事では以下の3点を解説します。
「デジタルセールスの教科書」4フェーズの進化モデルを振り返る
AIが代替できること・できないことを整理する
AI時代に営業が発揮すべき「人としての価値」とは何か
「デジタルセールスの教科書」──4フェーズの旅を振り返る
本シリーズ「デジタルセールスの教科書」では、BtoB営業組織が成長していく4つのフェーズを解説してきました。
フェーズ | 名称 | 特徴 |
|---|---|---|
①属人営業期 | 感覚と経験に頼る | トップ営業のノウハウが個人の中に閉じている |
②可視化営業期 | データで見える化 | SFA・DSRで行動と成果を数値化し始める |
③仕組み営業期 | 勝ちパターンを組み込む | プロセス・ツール・教育で「再現性」をつくる |
④自律営業期 | 自ら学び続ける | AIとデータで継続的に自己進化するサイクルを回す |
① → ④ の進化は、単なるツール導入の話ではありません。「個人の感覚」から「組織の知恵」へ、そして「静的な仕組み」から「自己進化する仕組み」への転換です。
各フェーズの詳細はそれぞれの解説記事をご覧ください。
AIが「担える領域」は急速に広がっている
2026年現在、AIが営業活動のなかで担えるタスクは急速に拡大しています。コレタが実施した独自調査「BtoB購買プロセスと営業接点の実態調査」(2026年1月, n=180)では、38.3%の購買担当者がAI(ChatGPT等)を情報収集に活用していると回答しました。買い手がAIで自社に合う製品・サービスを調べる時代に、営業担当者が「製品説明者」として機能するだけでは、価値を発揮しにくくなっています。
実際に、同調査では営業担当者の説明が購買判断に役立つ情報源の最下位(11.1%)という結果が出ています。9項目中の最下位です。これは「営業が不要」ということではなく、「説明するだけの営業は不要」という現実を示しています。
では、AIにはできない・代替されにくい営業の仕事とは何でしょうか。
AIが代替しやすい領域
商談前の企業調査・リサーチ
商談後の文字起こし・議事録作成・SFA入力
資料・コンテンツの閲覧状況のトラッキング
定型的なフォローアップメール送信
勝ちパターンのスコア化・スクリプト化
失注・受注パターンの分析・レポート生成
AIセールスの最新トレンドで詳しく解説していますが、AIは「繰り返し可能な判断」「データ処理」「パターン認識」を極めて高速かつ正確に行えます。これらの業務から営業担当者が解放されることで、本来集中すべき仕事に時間を使えるようになるのです。
AIが代替しにくい領域
では、AIが代替しにくいのはどんな仕事でしょうか。
顧客の言葉の裏にある「本当の懸念」を読み取る洞察
利害関係が複雑な組織内の意思決定をナビゲートする政治的感覚
失注しそうな場面での粘り強い関係維持
顧客が気づいていない課題を言語化し、優先順位を整理する対話力
長期的な信頼関係に基づく「一緒に成長したい」という感情的絆
不確実な状況で判断を下すときの「責任を取る覚悟」
これらは、データや統計では学習しきれない、人間固有の能力です。
「AIが情報を整理し、人が関係を深める」──新しい営業の役割分担
コレタ独自調査(Vol.1, n=180)では、50.0%の購買担当者が「営業に求める価値」として「自社に合う/合わないの整理をしてほしい」と回答しました。単に製品を説明するのではなく、「この会社にとって、本当にこの選択が合っているのかどうか」を整理・判断してくれる存在を、買い手は求めているのです。
また同調査では、73.9%が「営業不在でも社内検討が進んだ」と回答しています。これは、営業担当者がいなくても顧客が自力で情報収集・比較検討を進められるようになったことを示しています。言い換えれば、「営業担当者が介入しなくても、ある程度は検討が進む」時代になったのです。
しかしここに、チャンスがあります。
顧客が自力で情報を集め、比較検討を進める段階で、「整理しきれない不確実性」や「意思決定者全員への情報伝達」という壁にぶつかるのです。同調査では「意思決定者全員に営業の声が届いていない」案件が72.8%にのぼることが明らかになっています。
この壁を突破できる営業が、AI時代に生き残るプロフェッショナルです。
具体的には、以下のような能力が求められます。
① 複数の意思決定者を「束ねる」ファシリテーション力
BtoB購買は複数のステークホルダーが関与します。キーパーソン・決裁者へのアプローチ方法で詳述していますが、意思決定者それぞれの関心・懸念に合わせた情報を届け、議論をまとめる能力は、AIには担えないものです。
② 「比較・判断の難しさ」を解消する対話設計力
Vol.2調査(n=250)では、検討停滞の最大の原因が「比較・判断が難しかった」(43.2%)でした。競合他社との違い、自社に合うかどうかの整理──これは数値や機能説明ではなく、顧客の文脈に寄り添った対話でしか解消できません。
③ 長期的な信頼を育てる「関係の継続力」
データは過去の成功パターンしか教えてくれません。新しい顧客との関係は、一回一回の誠実な対話と約束の積み重ねによって育まれます。意思決定支援型営業とは何かで解説しているように、顧客の意思決定を支援するパートナーとしての役割こそが、営業担当者に求められる本質です。
4フェーズの先にある「自律型組織」の姿
本シリーズで解説してきた4フェーズを経た営業組織は、最終的にどんな姿になるのでしょうか。
自律営業期とは?で詳述しましたが、自律営業期のゴールは「仕組みが勝手に動く組織」ではなく、「仕組みを育て続ける組織」です。
People: 一人ひとりの営業担当者が、AIレポートを活用して自分で振り返り、自分で改善する。評価されるためではなく、成長するために。(AI商談振り返りで自己改善する営業を育てる方法)
Process: プロセスは完成形ではなく、常に進化し続けるもの。現場の気づきとAIの示唆が掛け合わさり、仕組みが自己更新する。(改善ループを仕組み化する方法)
Contents: 資料は「完璧にしてから使う」のではなく、「使いながら改善し続ける」。顧客の反応がそのまま次の提案に活かされる。(DSR閲覧データで資料を改善し続ける仕組み)
Data: すべての商談・コンテンツ・顧客データが統合され、AIが成功要因を抽出。しかし最終的な判断と行動は、人が担う。(データ統合で成功要因を可視化するAI営業ダッシュボード)
この姿は「AIに依存する組織」ではありません。AIを使いこなし、人間の強みをより高い次元で発揮できる組織です。
コレタ for Sales──「人が価値を発揮できる状態」を作るインフラ
デジタルセールスルーム「コレタ for Sales」は、AI時代の営業担当者が本来の価値を発揮するためのインフラです。
商談前の企業リサーチ・トーク生成(オートリサーチ)、商談後の文字起こし・SFA自動連携(ミーティングインサイト)、提案資料の一元共有と閲覧ログ分析(デジタルセールスルーム)──これらすべてをAIが担うことで、営業担当者は「顧客と向き合う時間」「関係を深める対話」「複雑な判断を支援するコンサルティング」に集中できます。
コレタが目指すのは、「AIが営業を代替する未来」ではなく、「AIと人が協働し、お互いの強みを最大化する営業スタイル」の実現です。
まとめ──AI時代に「営業が営業であるため」に必要なこと
本シリーズ「デジタルセールスの教科書」を通じて伝えたかったことを、最後に整理します。
1. ツールは「手段」であり「目的」ではない SFA・DSR・商談解析AIをどれだけ導入しても、使いこなさなければ意味がありません。ツールが現場に根づくための「仕組み」と「文化」を同時に作ることが重要です。
2. 4フェーズは「段階的に進める」もの 一気に自律営業期を目指す必要はありません。自社の現状を診断し、今いるフェーズで取り組むべきことを着実に実行することが、最も確実な成長の道です。
3. AIが担う「繰り返しの判断」を手放すほど、人の価値が高まる AI時代に生き残る営業担当者は、「説明する人」から「整理・判断・信頼を生み出す人」へと進化します。これは脅威ではなく、営業というプロフェッションが本来の価値を取り戻すチャンスです。
4. データは「気づきを加速させる」ために使う 成功要因レポートも自己改善ログも、「判断を代替する」ためではなく、「人が考える余白を豊かにする」ために活用します。最後の意思決定と責任は、常に人が担います。
5. 「仕組み」は作ったら終わりではなく、育て続けるもの 仕組み営業期で作った型を、自律営業期で継続的に進化させる。この「常に学び続ける姿勢」こそが、AI時代の組織に求められる最大の競争優位です。
営業は、決して「なくなる仕事」ではありません。ただ、その形は大きく変わります。AIが事務作業と定型判断を引き受けることで、営業担当者はより深い対話と、より本質的な価値提供に集中できるようになる。その変化に適応し、自ら進化し続ける営業組織こそが、AI時代を勝ち抜いていけるのです。
「デジタルセールスの教科書」シリーズが、皆さんの営業組織の進化の一助になれば幸いです。
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よくある質問(FAQ)
Q1. AI時代に「営業は不要になる」という意見がありますが、本当ですか?
A. 「説明するだけの営業」は不要になりつつありますが、営業という職種そのものがなくなることはありません。コレタの調査(n=180)では、50.0%の購買担当者が「自社に合う/合わないを整理してほしい」と答えています。複雑な組織の意思決定を支援し、長期的な信頼関係を築くことは、AI時代においてもむしろ重要性が増します。
Q2. デジタルセールスの教科書の4フェーズは、どの順番で取り組むべきですか?
A. 原則として①属人営業期→②可視化営業期→③仕組み営業期→④自律営業期の順に取り組みます。自社の現状がどのフェーズにあるかを診断し、現在のフェーズで取り組むべきことを確実に実行することが重要です。いきなり④を目指しても、②③の基盤がなければ機能しません。まずはBtoBの営業4フェーズ解説で現状を確認してみてください。
Q3. 中小企業でも「自律営業期」に到達できますか?
A. 規模よりも「仕組み化への意志と実行力」が重要です。10名以下の組織でも、DSRと商談解析AIを活用して自己改善のサイクルを回している企業はあります。むしろ小規模であるほど意思決定が速く、フェーズ進化のスピードが上がるケースもあります。まずは①→②の可視化から始めることをお勧めします。
Q4. AIツールを導入しても、現場になかなか定着しません。どうすればよいですか?
A. ツールが定着しない最大の原因は「使う理由が現場に伝わっていない」ことです。「会社が導入したから使え」ではなく、「このツールを使うと自分の商談がこう変わる」という具体的なメリットを、現場のメリット視点で伝えることが重要です。セールスイネーブルメントの型化では定着を支援する仕組み作りについて詳しく解説しています。
Q5. コレタ for Salesはどんな企業に向いていますか?
A. BtoB営業を行う企業全般に適していますが、特に「商談後のフォローや後追いが手薄になっている」「提案資料が属人的で品質がばらつく」「顧客の検討状況が見えない」という課題を抱える企業に強くフィットします。商談準備から後追い・クロージングまで、AIがフルサポートするプラットフォームです。→ コレタ for Sales 詳細はこちら

