結論非同期営業とは、営業が主導して動かす営業ではなく、買い手が動きやすい状態を整え、必要な時に機能する営業である。なぜ「同期型営業」は限界を迎えたのか従来のBtoB営業は、アポを取る商談をするフォロー連絡をする次の打ち合わせを設定するといった、営業主導・同期型のコミュニケーションを前提としてきた。しかし、これまでの調査で明らかになったように、営業抜きで検討が進む判断材料はWebや社内議論初回商談前に理解が進んでいる頻繁な営業接触は望まれていないという環境では、同期型営業は購買プロセスとズレ始めている。非同期営業とは何か非同期営業とは、営業が常に前に出る定期的に連絡を取るといったやり方ではなく、買い手が必要な時に情報を取りに来られる状態をつくる判断のタイミングに合わせて支援できる状態を保つことを重視する営業スタイルである。重要なのは、営業が何もしないことではない。営業は、情報を整理し判断に使える形に整え共有・確認しやすくしいつでも参照できるようにするという準備を、事前に行っている。なぜ今、非同期営業が必要なのか非同期営業が必要とされる理由は明確である。1. 買い手は自分のペースで検討したい調査では、92.2%が「自分のペースで情報を確認できる関わり方」を理想としている。2. 社内検討は非同期で進むBtoB購買は、社内会議チャット資料共有といった、非同期な場で進行する。営業だけが同期型で動いても、プロセスに噛み合わない。3. 判断のタイミングは予測できない比較・判断で迷うタイミングは、営業側からは見えにくい。だからこそ、いつでも支援できる状態が重要になる。非同期営業で起きる現場の変化非同期営業を前提にすると、現場では次のような変化が起きる。「追う営業」から「待てる営業」になるフォロー連絡の意味が明確になる商談の質が上がる無理なクロージングが減る結果として、検討中の停滞理由が見えやすくなる顧客との関係性が健全になる営業活動が属人化しにくくなるといった効果が期待できる。非同期営業は「放置」ではないここで誤解してはいけないのは、非同期営業は放置する営業連絡しない営業ではないという点だ。非同期営業では、どこで迷っているか何が判断材料になっているか誰が関わっているかといった状況を前提に、適切なタイミングで介入する。そのためには、購買プロセス全体を捉える視点が欠かせない。実務への示唆非同期営業を実践するために重要なのは、接触回数をKPIにしない商談の回数=価値と考えない情報提供の設計に時間を使うことである。営業の仕事は、「話すこと」から「判断を進めるための準備をすること」へとシフトしている。まとめ非同期営業は買い手主導を前提とした営業スタイル頻繁な営業接触は求められていない必要な時に機能する営業が価値を持つ営業の役割は「動かす」から「整える」へこの考え方を前提にしなければ、今後のBtoB営業は購買プロセスと乖離していく。関連記事「買い手が理想とする営業接点とは何か?」「意思決定支援営業とは何か?」「なぜ説明型営業は価値を失ったのか?」