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2026.03

見えないナーチャリングとは?電話に出ないBtoB顧客が水面下でしていること【250名調査】

    見えないナーチャリングとは、売り手から接点が切れたように見えている間に、買い手が自ら情報収集・比較検討・社内共有を進めている状態を指します。結論から言えば、電話に出なかった買い手の63.7%は、電話を介さずに検討を前進させていました。検討が止まったのは、わずか8.9%です。つまり「電話がつながらない=脈なし」という判断は、多くの場合まちがっています。

    営業電話をかけたが、つながらなかった。折り返しもない。多くの営業パーソンはこの状況を「脈なし」と判断し、次のリードに移ります。しかし実態は異なります。この記事では、コレタ for Salesが実施した購買担当者250名の調査データをもとに、この構造を解き明かし、営業組織が「見えない検討」をどう捉えるべきかを解説します。

    この記事で分かることは次の3点です。

    • 電話に出なかった買い手が、その後に実際していること(調査データ)

    • 「見えないナーチャリング」を可視化する3つの方法

    • 見えない検討を前提にしたときに見直すべき営業KPI

    なお、ナーチャリングの全体像や基本的な考え方はナーチャリングとは?意味・手法・運用ステップ、電話に出てもらえない構造そのものは営業電話が敬遠される理由で解説しています。


    1. 電話に出なかった買い手は、その後どう動いているのか

    コレタ for Salesが実施した「電話営業の実態と買い手が求めるデジタル接点に関する調査」(BtoB購買担当者250名、2026年3月実施)によれば、電話に出なかった・折り返さなかった購買担当者のその後の行動(N=168)は次の通りでした。

    電話に出なかった後の行動

    割合

    折り返さず、自分で情報収集を続けた

    38.7%

    折り返して、営業と話した

    25.0%

    送られてきたメール・資料を確認した

    25.0%

    特に何もしなかった(検討も止まった)

    8.9%

    社内の別の担当者が対応した

    2.4%

    最も多い行動は「折り返さず、自分で情報収集を続けた」(38.7%)です。「送られてきたメール・資料を確認した」(25.0%)と合わせると、63.7%が電話を介さずに検討を前進させていました。一方、電話がつながらなかったことで「検討が止まった」のは、わずか8.9%にすぎません。

    この数字が示すメッセージは明確です。電話に出ないことは、検討への関心がないことを意味しません。営業側からは「不通」に見えるその裏で、買い手は自分なりの方法で製品・サービスを評価し続けているのです。


    2. 買い手が使う5つの情報源

    では、買い手は営業の見えない場所で、どこから情報を得ているのでしょうか。同調査では次の結果が出ています。

    順位

    情報源

    割合

    1位

    送られてきたメールや資料を確認

    50.6%

    2位

    比較サイト・レビューサイトで調査

    43.5%

    3位

    ベンダーのWebサイトを閲覧

    35.7%

    4位

    AI(ChatGPT等)で情報収集

    19.0%

    5位

    社内のメンバーに相談・共有

    11.9%

    トップは「送られてきたメールや資料を確認」(50.6%)です。つまり、電話前後に送付した資料は、たとえ電話がつながらなくても読まれている可能性が高い。ここに営業側のアクションの余地があります。

    注目すべきは、「比較サイト・レビューサイトで調査」(43.5%)が2位に入っている点です。買い手は営業担当者の説明を待たず、第三者レビューサイトで競合製品の評価を比較しています。営業担当者が「まだ提案していない」と思っている段階で、すでに複数社の比較表が社内で回覧されている可能性があります。

    さらに「AI(ChatGPT等)で情報収集」(19.0%)も約5人に1人が利用しています。AIに製品のメリット・デメリットを尋ねれば、営業担当者の説明を聞かなくても概要は把握できてしまいます。情報収集手段の多様化は、営業が長く持っていた「情報の非対称性」という武器を、急速に無力化しています。


    3. なぜ「見えないナーチャリング」が問題なのか

    営業側の「脈なし判断」と買い手の「検討継続」のギャップ

    見えないナーチャリングの最大の問題は、売り手と買い手の認識に決定的なギャップが生じることです。

    営業担当者は「電話がつながらない → 関心が薄い → フォロー優先度を下げる」と判断します。しかし実際には、買い手は比較サイトで競合3社を並べて検討していたり、AIで「自社の課題に合うツールはどれか」を調べていたりします。このズレが、受注機会の逸失につながります

    検討プロセスの「見える部分」は氷山の一角

    従来の営業管理では、顧客との接触回数(電話回数、メール送信数、商談回数)が活動指標として重視されてきました。「とにかく接触頻度を上げれば商談化率も上がる」という前提があったからです。

    しかし、この調査が示す通り、買い手の検討行動の大半は営業側に見えない場所で行われています。接触回数だけでは顧客の検討状況を正確に把握できません。必要なのは「接点の量」ではなく「買い手の行動を可視化する仕組み」です。買い手が本当に望む接点のあり方はBtoB営業の理想の接点、買い手主体の検討支援はバイヤーイネーブルメントとはで解説しています。


    4. 「見えないナーチャリング」を可視化する3つの方法

    方法1:メール・資料の閲覧データを追跡する

    調査では、電話に出なかった後に「送られてきたメールや資料を確認した」買い手が50.6%にのぼります。メールの開封率やリンクのクリック率、添付資料のダウンロード回数を追跡することで、「電話には出なかったが資料は読んでいる」リードを特定できます。

    方法2:自社Webサイトの訪問行動を分析する

    「ベンダーのWebサイトを閲覧」は35.7%。MAツールやWebアナリティクスを活用すれば、特定のリードが自社サイトのどのページを訪問したかを把握できます。料金ページや導入事例ページへのアクセスは、検討が進んでいるシグナルです。

    方法3:DSRで閲覧ログをリアルタイムに追跡する

    最も効果的な方法は、デジタルセールスルーム(DSR)の活用です。提案資料・動画・FAQ・比較表をDSR上に集約すれば、「どの資料を」「何分間」「何回」閲覧したか、さらに「社内の誰に転送されたか」までを追跡できます。

    手法

    分かること

    導入難易度

    メール開封・クリック追跡

    資料への関心度

    低(MA/メール配信ツールで対応可)

    Webサイト訪問分析

    検討フェーズの推定

    中(MAツール連携が必要)

    DSR閲覧ログ追跡

    資料閲覧・転送・時間まで可視化

    中(DSR導入が必要)

    閲覧可視化の仕組みは営業資料の閲覧トラッキング、ツールの選び方はデジタルセールスルーム(DSR)とは?主要ツール比較・選び方で詳しく解説しています。


    5. 「見えない検討」を営業成果につなげる3つのアクション

    可視化した後に重要なのは、「見えたデータをどう使うか」です。

    アクション1:スコアリングルールに閲覧行動を組み込む。電話の応答有無だけでなく、資料閲覧回数やWebサイト訪問頻度をスコアリング基準に加えます。「電話に出ないがWebは頻繁に見ている」リードは、実はホットリードである可能性が高いと考えるべきです。行動データを営業判断に変える方法はデータドリブン営業とはで解説しています。

    アクション2:閲覧行動に基づいたコンテンツを追加提供する。料金ページを繰り返し見ているリードにはROI試算資料を、導入事例を見ているリードには同業種の事例を追加送付します。買い手の検討フェーズに合った情報を、適切なタイミングで届けることが重要です。

    アクション3:電話ではなく「次のコンテンツ」で接点を持つ。電話がつながらないリードに対して繰り返し電話をかけるのではなく、新しいコンテンツの送付やウェビナーへの招待で接点を維持します。買い手が「自分のペースで確認できる」形式の接点が望まれています。電話に頼らない接点設計は電話営業とDSRの関係を参考にしてください。


    6. 「見えないナーチャリング」時代の営業KPIを再考する

    見えないナーチャリングの存在を認識すると、従来の営業KPIも見直しが必要になります。電話接触回数やアポイント獲得数だけでは、買い手の検討状況を正確に反映できないからです。

    新しいKPIとして検討すべきは、次のような指標です。

    • DSR閲覧率——送付したDSRを何%のリードが閲覧しているか

    • コンテンツ回遊率——1回のアクセスで何ページの資料を閲覧しているか

    • 社内共有率——DSRのURLが何人の関係者に転送されているか

    • 再訪問率——同一リードが何回DSRに戻ってきているか

    これらは「見えないナーチャリング」を定量的に把握するための手がかりになります。特に社内共有率は重要です。BtoBの購買は複数人で決まるため、営業が会えていない関係者にまで情報が届いているかどうかが、受注を大きく左右します。KPIの設計そのものを見直す考え方はBtoB営業のKPI再設計で解説しています。

    「見えない検討」を可視化し、買い手の購買シグナルをリアルタイムでキャッチするには、AI搭載型デジタルセールスルーム『コレタ for Sales』が有効です。閲覧ログ・転送履歴・滞在時間をダッシュボードで一元管理し、最適なタイミングでのアプローチを実現します。電話がつながらないリードを諦めたくない企業に向いています。→ コレタ for Sales の詳細はこちら


    まとめ|「見えない検討」を前提にした営業プロセスへ

    • 電話に出なかった買い手の63.7%は、電話を介さずに検討を前進させている(検討が止まったのは8.9%のみ)

    • 買い手の情報源は、送付資料50.6%・比較サイト43.5%・ベンダーWeb35.7%・AI19.0%

    • 「電話がつながらない=脈なし」という判断が、受注機会を逸失させている

    • 必要なのは接点の量ではなく、買い手の行動を可視化する仕組み

    • KPIも接触回数から、閲覧率・回遊率・社内共有率・再訪問率へ見直す

    次のチェックリストで、自社の状況を確認してみてください。

    • 電話不応答リードを「脈なし」と判断せず、閲覧データで関心度を再評価しているか

    • メール開封・資料ダウンロード・Web訪問の追跡環境が整備されているか

    • DSR等を活用し、提案資料の閲覧ログをリアルタイムで把握できるか

    • リードスコアリングに閲覧行動データを組み込んでいるか

    見えない検討を前提にした育成の進め方はナーチャリングの方法|実践5ステップ、チャネル別の設計は電話が繋がらない時代のナーチャリング術をご覧ください。→ コレタ for Sales の詳細はこちら


    よくある質問(FAQ)

    Q1. 見えないナーチャリングとは何ですか? A. 売り手から接点が切れたように見えている間に、買い手が自ら情報収集・比較検討・社内共有を進めている状態を指します。コレタの250名調査では、電話に出なかった買い手の63.7%が電話を介さずに検討を前進させていました。営業から見て「反応がない」リードが、実際には検討を続けているケースが多くあります。

    Q2. 電話に出ない顧客は脈なしと判断していいですか? A. 判断すべきではありません。調査では、電話がつながらなかったことで検討が止まったのはわずか8.9%でした。最も多いのは「折り返さず自分で情報収集を続けた」38.7%です。電話に出ないことは検討への関心がないことを意味せず、脈なし判断は受注機会の逸失につながります。

    Q3. 電話に出なかった買い手は、どこで情報を集めていますか? A. 最も多いのは「送られてきたメールや資料の確認」50.6%で、次いで比較サイト・レビューサイト43.5%、ベンダーのWebサイト35.7%、AI(ChatGPT等)19.0%と続きます。送付した資料は電話がつながらなくても読まれている可能性が高く、ここに営業側の打ち手があります。

    Q4. 見えないナーチャリングを可視化するにはどうすればいいですか? A. 3つの方法があります。メールの開封・クリック追跡(難易度低)、Webサイト訪問行動の分析(難易度中)、DSRによる閲覧ログのリアルタイム追跡(難易度中)です。DSRを使えば、どの資料を何分・何回見たか、社内の誰に転送されたかまで把握できます。

    Q5. 見えない検討が分かったら、次は何をすべきですか? A. まずスコアリングに閲覧行動を組み込み、「電話に出ないがWebは頻繁に見ている」リードをホットとして扱います。次に閲覧内容に応じたコンテンツを追加提供し、最後に電話ではなく次のコンテンツで接点を維持します。買い手が自分のペースで確認できる形式の接点が望まれています。

    Q6. 営業KPIはどう見直せばいいですか? A. 電話接触回数やアポイント獲得数だけでは、見えない検討を反映できません。DSR閲覧率、コンテンツ回遊率、社内共有率、再訪問率といった指標を加えます。特に社内共有率は、営業が会えていない意思決定者にまで情報が届いているかを示すため、BtoBでは受注を大きく左右します。

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