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2026.07
ザ・モデル(The Model)とは?4分業の仕組み・KPIと「情報分断」という落とし穴【2026年版】

ザ・モデル(The Model)とは、営業プロセスを「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」の4つに分業し、各部門がKPIで連携しながら顧客を引き継いでいく営業組織モデルです。SaaS企業を中心に、日本のBtoB営業に急速に広まりました。
分業によって専門性と生産性が上がる一方、「顧客の情報が部門間で分断される」という深刻な副作用も生みます。本記事では、The Modelの基本を押さえたうえで、この最大の落とし穴と対策までを解説します。
この記事でわかること:
ザ・モデルとは何か——4分業の仕組みと各部門のKPI
導入のメリットと、よくある失敗
The Model最大の落とし穴「情報分断」の実態と、その埋め方
1. ザ・モデル(The Model)とは?
定義
The Modelとは、営業プロセスを4つの機能に分業し、顧客を段階的に引き継ぎながら成果を最大化する営業組織モデルです。もともとSalesforceで実践されていた考え方が、書籍『THE MODEL』を通じて日本に広まりました。
4つの分業とその役割
部門 | 役割 | 主なKPI |
|---|---|---|
マーケティング | 見込み客(リード)を集める | リード獲得数・MQL数 |
インサイドセールス(IS) | リードを育成し、商談を創出する | 商談創出数・有効商談率 |
フィールドセールス(FS) | 商談を進め、受注する | 受注数・受注額・受注率 |
カスタマーサクセス(CS) | 契約後の活用・継続・拡大を支援 | 解約率・アップセル・LTV |
各部門が「次の部門に渡す」ことをゴールとし、バトンをつなぐリレーのように顧客を進めていくのがThe Modelの基本構造です。
インサイドセールスの役割やKPI設計の詳細はインサイドセールスとは?役割・KPI・立ち上げ手順、反響型と新規開拓型の違いはSDRとBDRの違いで解説しています。
なぜThe Modelが広まったのか
専門性が高まる:各担当が自分の役割に集中できる
生産性が上がる:フィールドセールスが商談に専念できる
数値管理しやすい:どのフェーズで詰まっているかが見える
2. The Modelのメリットと、よくある失敗
メリット
各部門が専門特化でき、育成も型化しやすい
ファネル全体をKPIで管理でき、ボトルネックが特定しやすい
属人化しにくく、組織としての再現性が高まる
よくある失敗
失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
部門間の対立 | 「ISが渡す商談の質が低い」「FSがフォローしない」と責任の押し付け合いになる |
KPIの分断 | ISは商談数、FSは受注数だけを追い、「数は多いが質の低い商談」が量産される |
顧客情報の分断 | 引き継ぎのたびに文脈が失われ、顧客が同じ説明を何度もさせられる |
とくに①②を防ぐには、引き渡し基準(SLA)の明文化が不可欠です。詳しくはISとフィールドセールスの連携設計|SLAと引き渡し基準の作り方で解説しています。
3. The Model最大の落とし穴:「情報分断」
The Modelの本質的な弱点は、部門間の仲の悪さではありません。分業そのものが、顧客情報を分断してしまうことです。
買い手から見ると「同じ話を何度もさせられる」
マーケ→IS→FS→CSと引き継がれるたびに、顧客は同じ課題を説明し直すことになります。営業側は「引き継ぎ済み」のつもりでも、渡っているのは"要約"であって、"文脈"ではありません。
データが示す「見えない検討」
さらに深刻なのは、分断は社外にも及ぶことです。
コレタのBtoB意思決定の実態調査2026では、
BtoB購買の87%は複数人で意思決定しており、4名以上が関わるケースが64%
しかし、意思決定者全員と話せた営業はわずか11.5%
91%の買い手が商談後に社内で行動しているが、その内容の大半は営業に共有されていない
つまり、社内(部門間)でも、社外(顧客の社内)でも、情報が分断されている。The Modelは前者を効率化する仕組みですが、後者には何の手当てもしていません。ここが最大の盲点です。
分業が進むほど、分断は深まる
皮肉なことに、The Modelを厳格に運用するほど、一人の担当者が顧客の全体像を持つ機会は失われます。専門性と引き換えに、文脈が失われる——これがThe Modelの構造的なジレンマです。
4. 情報分断を埋める:The Modelを機能させる3つの対策
① 引き渡し基準(SLA)を明文化する
「どの状態を商談として渡すか」「何を必ず共有するか」を部門間で合意します。課題・関与者・検討時期・閲覧資料を、所定のフォーマットで引き継ぎます。詳細はIS・FSの連携設計を参照してください。
② KPIを連動させる
ISは「商談数」だけでなく「有効商談率」を、FSは「受注率」を共有指標として持つ。質を一緒に追う設計にすることで、部門間の対立を防げます。
③ 顧客との接点情報を「一元化」する
最も本質的な対策がこれです。部門を横断して、顧客とのやり取り・提案資料・閲覧行動が1か所に集約されている状態を作ります。
そこで有効なのがデジタルセールスルーム(DSR)です。顧客ごとの専用ページに提案資料・議事録・会話履歴を集約すれば、
部門が変わっても文脈が引き継がれる(顧客に同じ説明をさせない)
誰が・いつ・何を見たかが分かるため、顧客社内の「見えない検討」も可視化できる
マーケ→IS→FS→CSの全フェーズで同じ顧客ページを使い続けられる
つまりDSRは、The Modelの分業を維持したまま、情報だけを繋ぎ直す仕組みです。
このような部門横断の情報一元化を実現するのが、AI搭載のデジタルセールスルーム「コレタ for Sales」です。提案資料の閲覧ログとAI商談解析により、引き継ぎで失われがちな"文脈"をデータとして残せます。
なお、The Model型組織のフロントサイド業務(IS・FS・CS)をAIで効率化する最新動向は、The Model型フロントサイド業務を効率化する最新AI活用トレンドでも解説しています。
5. まとめ
ザ・モデル(The Model)とは、マーケ・IS・FS・CSの4分業で営業プロセスを最適化する組織モデル
メリットは専門性・生産性・数値管理。一方で部門間の対立・KPIの分断・情報の分断が起きやすい
最大の落とし穴は情報分断。分業が進むほど、顧客の文脈が失われる
しかも分断は社外にも及ぶ。87%が複数人で決めるのに、全員と話せた営業は11.5%
対策は、①SLAの明文化 ②KPIの連動 ③顧客接点情報の一元化(DSR)
The Modelは「分けて効率化する」仕組みです。だからこそ、分けたものを繋ぎ直す仕組みを同時に持たなければ、効率化の代償として受注を失います。
営業フレームワーク・話法の全体像は、営業フレームワーク・話法12選|BtoBで今も効くもの、効かなくなったもので一覧比較しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. ザ・モデル(The Model)とは何ですか?
A: The Modelとは、営業プロセスをマーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスの4つに分業し、各部門がKPIで連携しながら顧客を引き継いでいく営業組織モデルです。Salesforceの実践が書籍『THE MODEL』を通じて日本に広まりました。
Q2. The Modelの4つの部門とKPIは?
A: マーケティング(リード獲得数・MQL数)、インサイドセールス(商談創出数・有効商談率)、フィールドセールス(受注数・受注率)、カスタマーサクセス(解約率・アップセル・LTV)です。各部門が次の部門へバトンを渡す構造になっています。
Q3. The Modelのデメリット・失敗パターンは?
A: 代表的なのは、①部門間の対立(商談の質をめぐる責任の押し付け合い)②KPIの分断(数は多いが質の低い商談が量産される)③顧客情報の分断(引き継ぎのたびに文脈が失われ、顧客が同じ説明を繰り返す)の3つです。
Q4. The Modelで情報分断を防ぐにはどうすればいいですか?
A: ①引き渡し基準(SLA)を明文化する ②KPIを連動させ、質を一緒に追う ③顧客との接点情報(提案資料・議事録・閲覧行動)を部門横断で一元化する——この3つです。特に③には、顧客専用ページに情報を集約するデジタルセールスルーム(DSR)が有効です。
Q5. The Modelは今も有効ですか?
A: 有効です。ただし「分ける」だけでは不十分です。BtoB購買の87%は複数人で意思決定し、91%の買い手が商談後に社内で動きますが、その大半は営業に共有されません。分業で効率化すると同時に、失われる文脈を繋ぎ直す仕組みを持つことが前提になります。
🌟 分業しても、文脈は繋ぎたい方へ
コレタ for Salesは、顧客専用ページに提案資料・議事録・閲覧ログを集約し、マーケ→IS→FS→CSの全フェーズで同じ顧客ページを使い続けられるデジタルセールスルームです。分業による情報分断を防ぎます。
最終更新: 2026年6月 | デジタルセールスナビ編集部

