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2026.05

商談後の社内稟議、7割が営業に届いていない──BtoB意思決定の実態調査2026 

    この記事のポイント

    • BtoB購買担当者の91%が商談後に社内行動を取っているが、「すべて営業に伝えた」のはわずか30.8%

    • 意思決定者全員が営業と直接話せた案件は11.5%のみ。4割の案件で過半数のキーマンが未到達

    • 93%が「初回商談後にあれば検討が進みやすかった情報があった」と回答し、稟議支援コンテンツへの需要が顕在化

    営業担当者が「次の返答を待っている」と感じているとき、買い手の社内では何が起きているのか。

    株式会社エヌケーエナジーシステム(コレタ for Sales)は2026年5月、BtoB法人取引において購買・発注の意思決定に関与した経験を持つ会社員100名を対象に「営業商談後の社内の意思決定実態調査」を実施しました。本調査はVol.1(2026年1月、n=180)、Vol.2(2026年3月、n=250)に続くシリーズ第3弾で、商談後から稟議・社内意思決定フェーズに焦点を当てたものです。

    その結果、売り手には「沈黙」に見える時間の裏で、買い手は社内で積極的に稟議プロセスを進めている実態が浮かび上がりました。本記事では7つのFINDINGを通じて、BtoB購買における「見えない稟議プロセス」の全貌をお伝えします。

    本調査レポートの完全版はこちらからダウンロードいただけます。


    調査概要

    項目

    内容

    調査対象

    BtoB法人取引で購買・発注の意思決定に関与した経験のある会社員

    有効回答数

    100名(スクリーニング調査より抽出)

    調査方法

    インターネット調査

    調査実施時期

    2026年5月7日〜8日

    調査主体

    株式会社エヌケーエナジーシステム(コレタ for Sales)

    回答者属性は、業務委託・外注サービス(49%)・SaaS/ITツール(44%)を中心に幅広い商材カテゴリをカバー。従業員規模は100〜499名(29%)を筆頭に中小〜大企業まで分散しており、年間契約金額は100万〜500万円未満(36%)が最多でした。


    FINDING 1|「すべて伝えた」は3割未満──商談後の7割の行動が営業に届いていない

    91%が商談後に何らかの社内行動を取っている

    初回商談後に「特段の社内行動は取らなかった」と回答したのはわずか9%。残る91%が何らかの社内行動を取っており、具体的には以下のような行動が上位を占めました。

    順位

    社内行動

    割合

    1位

    社内会議・打ち合わせでベンダーの内容を説明した

    42%

    2位

    受け取った資料・提案書を社内にメール・チャットで共有した

    32%

    3位

    上司・役員・決裁者に商談内容を口頭で報告した

    25%

    4位

    競合他社の製品・サービスと比較・検討した

    25%

    競合比較(25%)、AIツールを活用した情報収集(17%)、業務フロー・運用体制の検討(17%)なども実施されており、商談直後から水面下で積極的な検討が始まっています

    しかし、7割の行動は営業担当者に伝わっていない

    これらの社内行動を営業担当者に「すべて伝えた」と回答したのは、わずか30.8%。「一部は伝えた(重要なことだけ)」が51.6%で最多を占め、「ほとんど伝えなかった」15.4%、「全く伝えなかった」2.2%と続きます。

    商談後に動いた91名のうち、約7割が何らかの社内行動を営業に伝えていないか、一部しか伝えていないことになります。売り手が「静かに待っている状態」と認識しているその裏で、買い手は社内で稟議に向けた準備を着々と進めているのです。

    詳しくは「商談後に買い手が"沈黙"を選ぶ理由|61.9%が社内合意前の共有を拒む」で解説しています。


    FINDING 2|「社内合意前に外部共有したくない」──買い手の沈黙は合理的な選択

    最大理由は「社内の合意が固まる前に情報を出せない」

    社内行動を営業に伝えなかった理由(N=63、複数回答)の最多は「社内の合意が得られていないうちに外部に共有することへの抵抗があった」(61.9%)でした。

    次いで「伝えると営業担当者から頻繁に連絡・プッシュされそうだったため」(33.3%)、「まだ検討が途中の段階だったため、伝えるタイミングではないと判断した」(27.0%)が続きます。

    プッシュ型追客がさらなる沈黙を生む構造

    この結果が示すのは、買い手の沈黙は無意識ではなく、極めて合理的な判断に基づいているということです。内部で意見が固まっていないうちに情報を出せば、組織内での立場が難しくなる。正直に伝えれば執拗なフォローアップが来るかもしれない──この二重の懸念が、商談後の「情報の壁」を生み出しています。

    営業担当者の「まだ連絡が来ない」というフラストレーションが、さらなるプッシュ型接触につながるとすれば、それはむしろ沈黙をさらに深める可能性があります。


    FINDING 3|意思決定者全員と話せた営業はわずか1割──キーマン不在商談が常態化

    BtoB購買の87%は複数人で意思決定している

    購買の意思決定に関与した社内人数(N=100)を見ると、「1名(自分のみ)」はわずか13%。87%が複数人で意思決定しており、4名以上が関与するケースは64%に達します。

    関与者数

    割合

    1名(自分のみ)

    13%

    2〜3名

    23%

    4〜5名

    32%

    6〜10名

    15%

    11名以上

    17%

    「全員と話せた」営業は11.5%のみ、4割の案件でキーマン未到達

    それだけ多くの人物が関与しながら、営業担当者と「全員が直接話した」のはわずか11.5%(N=87)。

    半数未満しか話せていない+窓口担当者のみ+誰も話していない」の合計は40.2%。4割の案件では、過半数以上の意思決定者が営業と一度も話さないまま、購買判断が下されています。

    現実のBtoB購買では、最終決裁者や他部門の担当者が静かに検討し、静かに却下する──そのプロセスの大半が、営業には見えない状態で進んでいます。

    BtoBで意思決定者全員に届いた営業はわずか1割|キーマン不到達の構造と対策」では、この問題の構造と打ち手を詳しく解説しています。


    FINDING 4|窓口担当者が「自分でまとめた資料」を量産──営業コンテンツの翻訳コスト

    57.1%が「自分なりの資料」を作成して社内共有

    営業担当者と直接話していない意思決定者への情報伝達方法(N=77、複数回答)の最多は「商談内容を自分なりにまとめた資料(メモ・要約・スライド等)を作成して共有した」(57.1%)でした。「営業担当者から受け取った資料をそのまま転送・共有した」は35.1%にとどまります。

    つまり、営業が丁寧に作り込んだ提案資料は、半数以上の案件で「そのままでは使えない」と判断されています

    営業のメッセージが「翻訳」される過程で変形する

    窓口担当者は受け取った資料を自分で翻訳・再編集し、社内の意思決定者向けに作り直しています。この過程で、営業が意図したメッセージや強み・差別化ポイントが削ぎ落とされるリスクがあります。

    意思決定者の手元に届くのは、営業が設計したメッセージではなく、窓口担当者が独自の判断でまとめたサマリーです。これは窓口担当者にとって大きな負担であると同時に、営業にとっても重大なリスクです。


    FINDING 5|「意思決定者向け平易な資料」「稟議書テンプレート」──93%が不足を実感

    特定の情報・対応が「なければ検討が止まる」

    「初回商談後にあれば社内検討が進みやすかった情報や対応」を複数回答で聞いたところ(N=100)、「特になかった(十分だった)」と回答したのはわずか7%。93%が何らかの不足を感じていたことになります。

    順位

    求められた情報・対応

    割合

    1位

    社内の意思決定者向けに専門用語を使わず分かりやすく説明した資料

    35%

    2位

    稟議書・社内申請に使える資料テンプレートや記入例

    31%

    3位

    競合他社との機能・価格・実績などの比較表

    25%

    4位

    社内の関係者に共有しやすい1枚資料(エグゼクティブサマリー等)

    24%

    上位を占めるのはいずれも「意思決定者に情報を届けるためのコンテンツ」です。買い手が求めているのは、専門知識がなくても自分の上司に伝えられる資料、稟議の申請をサポートするテンプレートです。


    FINDING 6|7つのベンダー対応、すべてで6割以上が「社内検討を前進させる」

    初回商談後のベンダー対応7パターンそれぞれについて有効性を聞いたところ(N=100)、「非常にそう思う+そう思う」の肯定率は全項目で63%以上に達しました。

    対応内容

    肯定率

    社内共有用サマリー資料(1〜2枚)を送ってくれる

    70%

    資料・動画・FAQをいつでも確認できる専用ページを用意してくれる

    69%

    個別の疑問・懸念点にチャット/メールで随時対応してくれる

    68%

    稟議書や社内申請の作成をサポートしてくれる

    67%

    社内の関係者・意思決定者を交えた追加説明会・デモを提案してくれる

    66%

    競合他社との違い・自社の強みを整理した比較資料を提供してくれる

    64%

    定期的に「その後いかがでしょうか」と電話・メールで連絡してくれる

    63%

    最も評価されたのは「社内共有用サマリー資料の送付」(70%)。注目すべきは、定期連絡(いわゆるフォローアップ電話・メール)でさえ63%が有効と評価している点です。

    Vol.2調査で明らかになった「電話には出たくない」という行動実態と合わせると、買い手は「連絡してほしくない」のではなく、「方法と内容次第で歓迎できる」ことがわかります。


    FINDING 7|専用確認ページ(DSR)、83%が「社内検討で活用したい」

    「ベンダーが用意した専用の確認ページ(提案資料・導入事例・デモ動画・FAQなどを一か所にまとめて確認できる場所)があれば、社内検討の際に活用したいか」という問いに対し(N=100)、「ぜひ活用したい」21%、「どちらかといえば活用したい」62%と、合計83%が活用意向を示しました。

    「活用したいとは思わない」はわずか2%。FINDING 4で明らかになった「窓口担当者の翻訳コスト」と照らし合わせると、この需要の背景が見えてきます。自分でまとめ直す手間を省き、意思決定者にそのままシェアできる場所があれば、社内検討は大幅にスムーズになります。


    3つの構造的課題と、営業スタイルの転換

    本調査を通じて、現代のBtoB購買における3つの構造的課題が浮かび上がりました。

    ① 商談後の社内検討は「見えない場所」で進んでいる

    91%が商談後に積極的な社内行動を取りながら、その7割は営業に伝わっていない。買い手は「社内合意前の外部共有への抵抗」「プッシュされることへの懸念」から、意図的に情報を遮断しています。売り手が「沈黙」と解釈している時間に、買い手の検討は加速しています。

    この構造を理解せずにプッシュ型のアプローチを続けると、沈黙をより深め、競合に案件を奪われるリスクが高まります。まずは「見えない検討」が進んでいることを前提に営業プロセスを設計することが重要です。

    ② 意思決定者全員に、営業の声は届いていない

    87%が複数人で意思決定するにもかかわらず、全員と話せた営業は11.5%のみ。窓口担当者が自分でまとめ直した資料が、意思決定の場を支配しています。

    営業が「伝えたつもり」のメッセージは、かなりの確率で変形・脱落した状態でキーマンに届いています。この問題を解決するには、窓口担当者が「そのままシェアできる」コンテンツを用意することが必要です。

    ③ 買い手は「稟議を通すための武器」を求めている

    93%が「何かあれば検討が進みやすかった」と回答し、求める情報の上位は「意思決定者向け平易な資料」「稟議書テンプレート」。これは単なるコンテンツ不足の問題ではなく、営業の役割そのものの問い直しを意味します。

    買い手が本当に必要としているのは、「製品を売り込む営業」ではなく、「社内稟議を一緒に通す伴走者」です。


    「提案資料を渡す営業」から「社内稟議を支援する営業」へ

    本調査が示す3つの課題を解決するうえで、近年注目されているのがデジタルセールスルーム(DSR)の活用です。

    DSRとは、提案資料・動画・FAQ・導入事例などをひとつのオンラインページにまとめ、買い手がいつでも・どこでも・社内の誰にでもシェアできる環境を提供するツールです。窓口担当者が「翻訳・再編集」する手間を省き、意思決定者に直接営業のメッセージが届きます。また、コンテンツの閲覧状況はリアルタイムで営業に通知されるため、「誰が・いつ・何を見たか」が可視化されます。

    83%の買い手がDSRへの活用意向を示した今回の調査結果は、ツールへの需要というよりも、「稟議を支援してほしい」という買い手の本音を反映したものと言えるでしょう。

    このような課題感をお持ちの方に、デジタルセールスルーム「コレタ for Sales」をご紹介します。提案資料・動画・チャット・商談録画をひとつのオンラインページにまとめ、買い手の閲覧ログや"購買サイン"を可視化するAI搭載プラットフォームです。

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    各FINDINGの詳細記事

    本調査の各テーマについて、さらに深掘りした記事を公開しています。


    まとめ

    • BtoB購買担当者の91%が商談後に社内行動を取るが、「すべて営業に伝えた」のは30.8%のみ

    • 沈黙の最大理由は「社内合意前の外部共有への抵抗」(61.9%)。買い手の沈黙は合理的な選択

    • 意思決定者全員と話せた営業はわずか11.5%。4割の案件でキーマンが未到達

    • 窓口担当者の57.1%が社内共有用に資料を自作。営業コンテンツが「翻訳」される過程でメッセージが変形する

    • 93%が「あれば検討が進みやすかった情報があった」と回答。求められるのは「意思決定者向け平易な資料」「稟議書テンプレート」

    • 83%が専用確認ページ(DSR)の活用意向を示す。稟議支援ツールへの需要は明確に顕在化している

    調査レポート完全版のダウンロードはこちら


    よくある質問(FAQ)

    Q1. BtoB購買における「社内意思決定プロセス」とはどのようなものですか? A. 初回商談後、購買担当者(窓口担当者)が社内で上司・役員・他部門担当者に情報を展開し、稟議書を作成・承認を得るプロセスです。本調査では87%のケースで複数人(2名以上)が関与しており、4名以上が関与するケースも64%に達します。

    Q2. なぜ買い手は商談後の社内行動を営業に伝えないのですか? A. 最大の理由は「社内の合意が得られていないうちに外部に共有することへの抵抗」(61.9%)です。次いで「伝えると頻繁に連絡・プッシュされそう」(33.3%)、「タイミングではないと判断した」(27.0%)が続きます。買い手の沈黙は、組織内の立場を守るための合理的な判断です。

    Q3. 営業担当者がBtoBのキーマン(意思決定者)にアプローチするにはどうすればよいですか? A. 本調査の結果から、窓口担当者が「そのまま社内でシェアできる」コンテンツの提供が有効です。意思決定者向けの平易な説明資料(35%が必要と回答)、稟議書テンプレート(31%)、エグゼクティブサマリー(24%)など、窓口担当者が翻訳コストを負わずに展開できる資料を用意することが鍵です。

    Q4. デジタルセールスルーム(DSR)は稟議プロセスに効果がありますか? A. 本調査では83%が「専用確認ページ(DSR)があれば社内検討で活用したい」と回答しました。DSRは提案資料・動画・FAQを一か所に集約し、窓口担当者が意思決定者にそのままシェアできる環境を提供します。「翻訳コスト」を削減しながら、営業のメッセージを意思決定者に直接届けられる点が評価されています。

    Q5. 商談後にベンダーが取るべき最も有効なアクションは何ですか? A. 本調査では「社内共有用サマリー資料(1〜2枚)の送付」が70%の肯定率で1位でした。次いで「専用確認ページの用意」(69%)、「個別の疑問・懸念点へのチャット/メール対応」(68%)が続きます。いずれも「买い手が社内で使えるコンテンツ」の提供が共通テーマです。

    Q6. Vol.3調査レポートの全データはどこで確認できますか? A. 完全版レポートはコレタ公式サイトのダウンロードページよりダウンロードいただけます。本シリーズのVol.1(BtoB購買プロセスと営業接点の実態)・Vol.2(営業電話の実態調査)もあわせてご参照ください。


    調査実施:株式会社エヌケーエナジーシステム(2026年5月)/有効回答数:100名 プレスリリース:PR TIMES

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