結論BtoB購買において、意思決定の中心にあるのは「営業の説明」ではなく、Web情報と社内議論である。調査概要調査主体:株式会社エヌケーエナジーシステム調査テーマ:BtoB購買プロセスにおける判断材料の実態調査対象:法人向けサービスの導入・見直し経験者有効回答数:180名調査期間:2026年1月※本記事は、上記調査結果のうち「購買判断に使われた情報源」に焦点を当てて解説する。判断材料の上位は「Web」と「社内議論」「法人向けサービスの導入を判断する際、何を判断材料として重視したか」という設問に対し、回答の上位は次の通りだった。Webサイト・オンライン情報社内での議論・検討一方で、「営業担当者の説明」を判断材料として挙げた割合は11.1%にとどまり、主要な判断材料の中で最も低い水準となった。この結果は、営業活動の成果がそのまま購買判断に直結していない現実を示している。なぜ営業説明は判断材料になりにくいのか?この数字は、「営業の説明が無意味になった」という意味ではない。むしろ、判断材料として選ばれにくくなった理由は、購買プロセスの前倒しにある。背景にある変化事前にWebや比較記事で情報収集が進む社内で候補や方向性がある程度固まる営業は“確認フェーズ”で登場するこの状態では、営業の説明は新しい判断材料ではなく、既存情報の再確認になりやすい。結果として、意思決定の決定打にはなりにくくなる。判断は「個人」ではなく「組織」で行われているBtoB購買の特徴は、意思決定が複数人・複数部署で行われる点にある。そのため、個人が聞いた営業説明その場限りの口頭情報よりも、誰でも後から確認できるWeb情報社内会議で共有・議論できる材料が、判断材料として重視されやすい。営業説明が11.1%に留まった背景には、「共有しづらさ」という構造的な要因がある。営業説明は「入口」にはなっている一方で注意すべきなのは、営業説明が完全に無視されているわけではない点だ。多くのケースで営業は、不明点の補足懸念点の確認条件整理といった形で、判断の最終確認に関与している。ただしそれは、判断材料そのものではなく判断を後押しする要素として機能しているに過ぎない。Web情報が判断材料として重視される理由Webサイトやオンライン情報が重視される理由は明確である。いつでも見返せる社内で共有しやすい複数人が同時に確認できる比較・検討に使いやすいこれらは、BtoB購買における組織的な意思決定と相性が良い。営業説明が劣っているのではなく、形式としてWeb情報の方が適しているというのが実態である。営業・マーケティングへの示唆本調査結果が示しているのは、営業説明は「主判断材料」ではない判断はWebと社内議論で進む営業は確認・整理の役割に寄っているという構造である。この前提を踏まえずに、説明量を増やす商談回数を増やすといった施策を行っても、判断への影響は限定的になりやすい。まとめBtoB購買の判断材料の中心はWeb情報と社内議論営業説明を重視した割合は11.1%営業は判断の「材料」ではなく「補助」に回りつつある意思決定は組織単位で行われているこの構造を理解することが、今後の営業・マーケティング設計の前提条件となる。関連記事「なぜ説明型営業は価値を失ったのか?」「営業は本当にもう不要なのか?」「BtoB購買でAIはどこまで使われているのか?」