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2026.07

営業のヒアリングとは?聞くべき項目とヒアリングシートの作り方【質問例つき】  

    営業のヒアリングとは、顧客の課題・状況・意思決定プロセスを引き出し、顧客自身が判断できる状態をつくる対話のことです。

    多くの営業は、ヒアリングを「提案に必要な情報を集める作業」だと考えています。しかし、それは半分しか正しくありません。

    コレタのBtoB購買の実態調査(n=180)では、買い手が営業に求める価値の1位は「自社に合う/合わないの整理」(50.0%)でした。一方、購買判断で最も参考にした情報源として営業担当者の説明を挙げたのはわずか11.1%(9項目中最下位)です。

    つまり買い手は、説明してほしいのではなく、整理してほしいのです。ヒアリングは、そのための技術です。

    この記事でわかること:

    • 営業のヒアリングで聞くべき項目

    • そのまま使えるヒアリングシートの作り方

    • 顧客が動く質問の例と、よくある失敗

    1. ヒアリングの目的は「情報収集」ではない

    買い手は説明を求めていない

    63.3%の買い手が、初回商談で「すでに知っている内容が多い」と感じています。 比較サイトやAIで下調べを終えた状態で商談に来るためです。

    その状態の相手に、製品説明を繰り返しても価値はありません。買い手が求めているのは、「結局、自社に合うのか合わないのか」を一緒に整理してくれること(50.0%)です。

    だからヒアリングは「整理のための対話」

    ヒアリングの目的は3つあります。

    1. 顧客の状況と課題を把握する(提案のため)

    2. 顧客自身に課題を自覚させる(動機づけのため)

    3. 顧客が判断できる材料を整理する(意思決定支援のため)

    情報を"取る"だけのヒアリングは尋問になります。顧客が話しながら自分の課題を整理できる——それが良いヒアリングです。意思決定を支援する営業の考え方は意思決定支援型営業とはでも解説しています。

    2. 営業のヒアリングで聞くべき5つの項目

    ① 現状(事実)

    まず事実を押さえます。

    • 「現在、◯◯の業務はどのように進めていますか?」

    • 「どのツール・体制で運用されていますか?」

    • 「何名くらいの方が関わっていますか?」

    ② 課題(不満・困りごと)

    事実の中から、不満を引き出します。

    • 「その中で、うまくいっていない点はありますか?」

    • 「どの工程に一番時間がかかっていますか?」

    • 「直近で困ったのは、どんな場面でしたか?」

    具体的なエピソード(いつ・誰が・何に困ったか)まで引き出すのがコツです。

    ③ 影響(放置した場合のリスク)

    ここがヒアリングの山場です。課題がどこまで波及しているかを、顧客自身に語らせます。

    • 「それによって、案件が止まったことはありますか?」

    • 「その作業には月にどれくらい時間がかかっていますか?」

    • 「上長の方から、何か指摘を受けていますか?」

    この問いかけは、SPIN話法の示唆質問にあたります。作り方と質問例は示唆質問とは?顧客が「自分ごと」に変わる質問例と作り方で詳しく解説しています。

    ④ 意思決定プロセス(誰が・どう決めるか)

    最も聞き漏らされる項目です。BtoB購買の87%は複数人で意思決定しており、4名以上が関わるケースが64%。にもかかわらず、意思決定者全員と話せた営業はわずか11.5%です。

    • 「この件が進む場合、どなたのご承認が必要になりますか?」

    • 「社内で検討される際、どの部署の方が関わりますか?」

    • 「過去に似た導入をされたとき、最終的にはどなたが判断されましたか?」

    • 「稟議を通すとき、どこが一番の壁になりそうですか?」

    決裁構造の見極め方は決裁者とは?意思決定者との違い・見極め方、顧客の稟議を通す方法は稟議が通らない理由と5つの方法を参照してください。

    ⑤ 予算・時期

    案件の確度を見極める項目です。

    • 「この課題の解決に、どれくらいの投資を想定されていますか?」

    • 「いつ頃までに解決したい、というご希望はありますか?」

    • 「導入までに、社内ではどのようなステップが必要になりますか?」

    この4項目(予算・決裁権・必要性・時期)はBANT条件として体系化されています。詳しくはBANT条件とは?をご覧ください。

    3. そのまま使えるヒアリングシート

    商談前に印刷して、埋めながら聞いてください。

    項目

    聞くこと

    記入欄

    現状

    現在の業務フロー/使用ツール/体制・人数

    課題

    うまくいっていない点/具体的なエピソード

    影響

    課題が波及している先(時間・数字・人・顧客)

    意思決定

    関わる人を全員/承認プロセス/推進者は誰か

    予算

    予算の有無・確保状況・想定金額感

    時期

    希望時期/社内ステップ

    競合

    他社検討の有無/比較軸

    次アクション

    誰に・何を・いつまでに渡すか

    太字の「関わる人を全員」がポイントです。決裁者を一人特定するのではなく、関与者を全員洗い出してください。

    4. ヒアリングでよくある失敗

    失敗①:尋問になる

    質問を立て続けに投げると、顧客は「調べられている」と感じます。

    対策:質問のあとに必ず共感か要約を挟みます。「なるほど、◯◯という状況なんですね」の一言で、対話に戻ります。

    失敗②:自分が話しすぎる

    質問7割・説明3割が目安です。63.3%の買い手が「初回商談で既知の内容が多い」と感じている以上、説明の価値は下がっています。

    失敗③:課題を聞いて終わる

    課題を聞いただけでは、顧客は動きません。「困っている」を「なんとかしたい」に変えるには、影響(示唆)まで踏み込む必要があります。

    失敗④:意思決定プロセスを聞かない

    これが最も高くつく失敗です。87%が複数人で決めるのに、全員と話せた営業は11.5%。誰が関わるかを聞かなければ、提案は決裁の場に届きません。

    失敗⑤:聞いた内容が個人の中で終わる

    ヒアリング内容がメモ帳や記憶にとどまると、組織の資産になりません。担当が変われば、顧客はまた同じ話をさせられます。

    5. ヒアリングを「組織の型」にする

    良いヒアリングは、センスではなく設計と蓄積の産物です。

    • 商談を録音・要約し、「どの質問で顧客の反応が変わったか」を可視化する

    • 反応が良かった質問を「勝ち質問」としてチームで共有する

    • ヒアリングシートを更新し続ける

    商談の自動記録・AI要約により、記録の負担なくこれを回せます。属人化を防ぐ型化の考え方はセールスイネーブルメントの型化、AI活用はAI営業とは?活用シーン・おすすめツール比較で解説しています。

    このような「刺さった質問」の可視化を支えるのが、AI搭載のデジタルセールスルーム「コレタ for Sales」です。商談の自動要約と資料の閲覧ログを紐づけ、どの問いかけが顧客を動かしたかをデータで把握できます。

    6. まとめ

    • ヒアリングの目的は情報収集ではない。買い手が営業に求める価値の1位は「自社に合う/合わないの整理」(50.0%)

    • 買い手は説明を求めていない。63.3%が初回商談で「すでに知っている」と感じ、営業の説明を判断材料に挙げたのは11.1%で最下位

    • 聞くべきは①現状②課題③影響意思決定プロセス⑤予算・時期の5項目

    • 最も聞き漏らされるのが意思決定プロセス。87%が複数人で決めるのに、全員と話せた営業は11.5%

    • 質問7割・説明3割。尋問にせず、顧客が話しながら整理できる対話にする

    ヒアリングは、営業が"聞き出す"技術ではありません。顧客が"整理できる"ようにする技術です。

    営業フレームワーク・話法の全体像は、営業フレームワーク・話法12選|BtoBで今も効くもの、効かなくなったもので一覧比較しています。

    よくある質問(FAQ)

    Q1. 営業のヒアリングでは何を聞けばいいですか?

    A: ①現状(業務フロー・体制)②課題(うまくいっていない点と具体エピソード)③影響(放置した場合の波及)④意思決定プロセス(誰が関わり、どう承認されるか)⑤予算・時期、の5項目です。特に④は最も聞き漏らされますが、BtoB購買の87%は複数人で意思決定するため、ここを外すと提案が決裁の場に届きません。

    Q2. ヒアリングシートには何を入れればいいですか?

    A: 現状・課題・影響・意思決定(関わる人を全員)・予算・時期・競合・次アクションの8項目が基本です。ポイントは「決裁者を一人特定する」のではなく「関与者を全員洗い出す」ことです。本記事にそのまま使える表を掲載しています。

    Q3. ヒアリングが尋問っぽくなってしまいます。どうすればいいですか?

    A: 質問のあとに必ず共感か要約を挟んでください。「なるほど、◯◯という状況なんですね」の一言で対話に戻ります。また、質問7割・説明3割を意識し、顧客が話しながら自分の課題を整理できる流れを作ることが大切です。

    Q4. ヒアリングとSPIN話法はどう関係しますか?

    A: SPIN話法は、ヒアリングを設計するためのフレームです。状況質問(現状)→問題質問(課題)→示唆質問(影響)→解決質問(解決後の価値)という順で問いを組み立てます。特に「影響」を引き出す示唆質問が、顧客の温度を変える鍵になります。

    Q5. ヒアリングの内容を組織で活かすにはどうすればいいですか?

    A: 商談を録音・要約し、「どの質問で顧客の反応が変わったか」を可視化してください。反応の良かった質問を「勝ち質問」としてチームで共有し、ヒアリングシートを更新し続けることで、ヒアリングが個人技から組織の型になります。


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    最終更新: 2026年6月 | デジタルセールスナビ編集部

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