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2026.01

営業の話は、意思決定者に本当に届いているのか? BtoB購買で起きている「伝わったつもり」の危険性

    結論:

    多くのBtoB商談で、営業の話は意思決定者に直接届いていない。届いているのは“要約された断片”だけである。

    「話は伝えておきます」が、最大の落とし穴

    BtoB営業では、こんな場面が頻繁にあります。

    • 「社内で共有します」

    • 「上に上げておきます」

    • 「決裁者にも伝えています」

    営業としては
    「意思決定者にも話が届いているはず」
    と考えがちです。

    しかし、この前提こそが
    失注を生む最大の落とし穴 になっています。

    データで見る「意思決定者不在」の現実

    弊社(株式会社エヌケーエナジーシステム)が実施した
    BtoB購買に関する調査(n=180)では、次の結果が出ています。

    営業担当者が、意思決定に関わる全員と直接話せたケースは27.2%

    裏を返すと、
    約7割の案件では、営業は意思決定者全員と話せていない
    ということです。

    つまり、多くの商談は

    • 担当者のみと会話し

    • その担当者が

    • 自分なりに解釈した内容を

    • 社内で共有している

    という構造で進んでいます。

    なぜ営業の話は途中で歪むのか?

    この「伝言ゲーム」構造では、
    営業の意図や価値は確実に劣化します。

    伝わらなくなる理由

    • 担当者は営業ではない

    • 比較検討の軸を理解していない

    • 自社事情で情報を取捨選択する

    • ネガティブ要素は省かれがち

    結果として、
    営業が伝えたかった文脈や強みは失われ、
    「価格」「機能」「ざっくりした印象」だけが残る

    状態になります。

    これでは、
    どれだけ良い提案をしても
    正しく評価されません。

    営業がキーマンに会えないのは、怠慢ではない

    ここで重要なのは、
    これは営業個人の努力不足ではないという点です。

    近年のBtoB購買では、

    • 買い手は営業を最小限にしたい

    • 社内検討を優先したい

    • できるだけ非同期で進めたい

    という意向が強くなっています。

    実際、同調査では

    92.2%が「買い手主導で、自分のペースで情報を確認したい」

    と回答しています。

    つまり、
    「決裁者に会わせてほしい」という従来の営業アプローチ自体が、
    購買行動とズレ始めている
    のです。

    「会えない」のではなく「届いていない」

    ここで視点を切り替える必要があります。

    問題は

    • 決裁者に会えないこと
      ではなく

    • 決裁者に情報が届いていないこと

    です。

    会うこと自体が目的になってしまうと、

    • 電話を増やす

    • アポ獲得に注力する

    • 押しが強くなる

    といった、
    買い手が嫌がる行動 に繋がります。

    本質的な課題は「情報共有の設計」にある

    今回の調査結果から見えてくるのは、

    • 意思決定は複数人で行われる

    • 営業は全員と直接話せない

    • それでも正確な判断は必要

    という現実です。

    つまり必要なのは、

    • 誰が見ても理解できる情報

    • 社内共有される前提の設計

    • 意図が歪まない伝え方

    「営業トーク」ではなく「意思決定用の情報設計」
    なのです。

    これからの営業に求められる前提

    • 会えないことを前提にする

    • 伝言されることを前提にする

    • 非同期で判断されることを前提にする

    この前提に立たない限り、
    営業は今後も

    • 「話したのに伝わらない」

    • 「手応えがあったのに負ける」

    という状況から抜け出せません。

    次回予告

    では、

    • なぜBtoB購買は途中で止まるのか?

    • なぜ「検討中」のまま進まなくなるのか?

    次の記事では、
    「失注でも放置でもない“購買停滞”の正体」
    をデータで解説します。

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