MEDDICの質問リスト・チェックシート|6要素別の質問例をそのまま使える形で

MEDDICの質問リストは、6要素それぞれを「商談で何を聞けば埋まるか」に落とし込んだものです。結論から言えば、MEDDICを実務で使うには、6要素を暗記するより、各要素を確認する質問を手元に用意しておくのが最短です。この記事では、6要素別のヒアリング質問例と、案件をチェックするためのチェックシートを、そのまま使える形で紹介します。
MEDDICそのものの意味や6要素の解説はMEDDICとは?6要素の意味・使い方で解説しています。本記事は「そのまま使える質問リスト」に特化した実用集です。
この記事で分かることは次の3点です。
MEDDIC6要素別の、そのまま使える質問例
案件の抜け漏れを確認するチェックシート
質問リストを使うときのコツ
なお、MEDDICの質問の多くは「顧客の社内」に関わります。コレタの独自調査(BtoB意思決定の実態調査2026)では、意思決定者全員に営業の声が届いている案件はわずか11.5%でした。質問で埋めきれない部分は、後述のとおり行動データで補うのが有効です。
1. MEDDIC6要素別・質問リスト
各要素について、商談でそのまま使える質問例を挙げます。相手や場面に合わせて言い回しは調整してください。
M:Metrics(定量効果)を確認する質問
「今回の取り組みで、どの指標をどれくらい改善したいですか?」
「その数字が達成できたら、社内ではどう評価されますか?」
「現状の数値は、今どのくらいでしょうか?」
E:Economic Buyer(経済的決裁者)を確認する質問
「最終的に予算を承認されるのはどなたですか?」
「その方は、今回の件をどの程度ご存知ですか?」
「決裁者の方が重視されるポイントは何だと思われますか?」
決裁者の見極め方は決裁者とは?意思決定者との違い・見極め方で詳しく解説しています。
D:Decision Criteria(意思決定基準)を確認する質問
「何を基準に選定される予定ですか?」
「複数社を比較される場合、優先順位の高い基準はどれですか?」
「過去に似た導入をされた際は、何が決め手になりましたか?」
D:Decision Process(決裁プロセス)を確認する質問
「決定までに、どのような手順を踏まれますか?」
「稟議は、どなたからどなたへ上がっていきますか?」
「導入までに、社内でクリアすべき関門はありますか?」
稟議のプロセスを通す設計は稟議が通らない理由と通してもらう方法を参照してください。
I:Identify Pain(課題特定)を確認する質問
「今、最も困っているのはどの部分ですか?」
「その課題を放置すると、半年後にはどうなりそうですか?」
「これまで解決を試みて、うまくいかなかったことはありますか?」
課題の影響を相手自身に語らせる質問技法はSPIN話法とは?4つの質問タイプと具体例が参考になります。
C:Champion(社内推進者)を確認する質問
「社内で、この取り組みを一緒に進めてくださる方はいますか?」
「その方が社内で説明しやすいよう、どんな材料があると助かりますか?」
「反対されそうな方はいますか?その懸念は何でしょう?」
推進者が社内で使える提案書の作り方は提案書の書き方で解説しています。
2. MEDDIC案件チェックシート
主要案件について、6要素が埋まっているかを確認するチェックシートです。空欄が多い案件ほど、失注リスクが高いと判断できます。
要素 | 確認すること | 埋まっている? |
|---|---|---|
Metrics | 改善したい数値を顧客と合意できているか | ☐ |
Economic Buyer | 決裁者を特定し、接触できているか | ☐ |
Decision Criteria | 選定基準を把握しているか | ☐ |
Decision Process | 決定までの手順が見えているか | ☐ |
Identify Pain | 放置できない課題を掴んでいるか | ☐ |
Champion | 社内推進者がいて、動いてくれるか | ☐ |
特に埋まりにくいのが、Economic Buyer(決裁者)・Decision Process(プロセス)・Champion(推進者)の3つです。この3つが空欄の案件は、担当者の感触が良くても停滞しやすいので要注意です。
3. 質問リストを使うときのコツ
質問リストは、そのまま尋問のように使うと逆効果です。次の点を意識します。
第一に、一度に全部聞こうとしないこと。6要素を初回商談で埋めようとすると、詰問になります。会話の流れの中で、自然に少しずつ埋めていきます。
第二に、質問の意図を相手のメリットで包むこと。「決裁者は誰ですか」と直接聞くより、「社内で話を進めやすいよう、どなたに何をお渡しすればよいか教えてください」と、相手を助ける文脈で聞くと答えてもらいやすくなります。
第三に、聞けない部分はデータで補うこと。決裁プロセスや推進者の社内での動きは、質問だけでは掴みきれません。ここで有効なのが、提案資料の閲覧ログを可視化するデジタルセールスルーム(DSR)です。
このような「MEDDICの質問で埋めきれない社内の動きを補いたい」場面で役立つのが、AI搭載のデジタルセールスルーム『コレタ for Sales』です。共有した資料が社内の誰に届き、どこまで見られたかが分かり、Economic BuyerやDecision Processの空欄を行動データで補完できます。→ コレタ for Sales の詳細はこちら
4. NGな聞き方と、改善のしかた
同じ要素を確認するのでも、聞き方ひとつで相手の反応は変わります。よくあるNGと改善を整理します。
NGな聞き方 | なぜNGか | 改善した聞き方 |
|---|---|---|
「決裁者は誰ですか?」(唐突) | 詰問に聞こえ、警戒される | 「社内で話を進める際、どなたにお渡しすればスムーズですか?」 |
「予算はいくらですか?」(初回で) | 距離が縮まる前で答えにくい | 「今回の投資判断は、どのくらいの規模感で見ておられますか?」 |
「いつ決めますか?」(催促に響く) | 急かされている印象 | 「社内では、どんなスケジュール感で検討が進みそうですか?」 |
改善の共通点は、相手の立場に立ち、答えることが相手のメリットになる形にすることです。MEDDICの質問は「案件を評価するため」の質問ですが、相手には「社内で進めやすくするための確認」として伝わるよう包みます。
SPIN・BANTとの質問の使い分け
MEDDICの質問は、他のフレームワークと組み合わせると精度が上がります。まずSPIN話法で相手の課題(Identify Pain)を深く引き出し、次にMEDDICの質問で決裁構造(Economic Buyer・Decision Process)を埋めていく、という流れが有効です。案件の一次選別にはBANTのシンプルな4条件を使い、有望案件をMEDDICで深掘りする、という段階的な使い分けもおすすめです。
まとめ
MEDDICの質問リストは、6要素を「商談で何を聞くか」に落とし込んだもの
特にEconomic Buyer・Decision Process・Championの質問が、失注防止の要
チェックシートで、案件の空欄(=失注リスク)を可視化できる
一度に全部聞かず、相手のメリットで包み、聞けない部分はデータで補う
MEDDICは、質問リストとして手元に持つことで初めて実務で回ります。まずは主要案件を1つ選び、チェックシートで6要素の空欄を確認してみてください。空欄こそが、次に埋めるべきポイントです。→ コレタ for Sales の詳細はこちら
MEDDICの全体像はMEDDICとは?6要素の意味・使い方、BANTとの違いはBANT条件とは?、営業フレームワーク全体は営業フレームワーク・話法12選をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. MEDDICの質問リストとは何ですか? A. MEDDICの6要素(Metrics・Economic Buyer・Decision Criteria・Decision Process・Identify Pain・Champion)を、商談でそのまま聞ける質問に落とし込んだものです。「決裁者はどなたですか」「決定までの手順は」といった質問を各要素ごとに用意しておくことで、案件の見極めが実務で回るようになります。
Q2. MEDDICで特に重要な質問はどれですか? A. Economic Buyer(決裁者)、Decision Process(決裁プロセス)、Champion(社内推進者)を確認する質問です。この3つは営業から見えにくく、失注の主因になりやすいためです。「決裁者はどなたか」「決定までの手順は」「社内で推進してくれる人はいるか」を押さえることが、案件を前に進める鍵になります。
Q3. MEDDICのチェックシートはどう使いますか? A. 主要案件について、6要素が埋まっているかを一つずつ確認します。空欄が多い案件ほど失注リスクが高いと判断できます。特にEconomic Buyer・Decision Process・Championが空欄の案件は、担当者の感触が良くても停滞しやすいので、優先的に埋めにいきます。
Q4. MEDDICの質問を一度の商談で全部聞くべきですか? A. 避けた方がよいです。6要素を初回で全部聞こうとすると尋問のようになり、相手が身構えます。会話の流れの中で、自然に少しずつ埋めていくのが基本です。質問の意図を「社内で進めやすくするため」という相手のメリットで包むと、答えてもらいやすくなります。
Q5. 決裁者や決裁プロセスを、顧客が教えてくれない場合は? A. 直接聞くのではなく、相手を助ける文脈で聞くと答えてもらいやすくなります。「社内で共有しやすいよう、どなたに何をお渡しすればよいか」と尋ねる形です。それでも掴みきれない社内の動きは、提案資料の閲覧ログを可視化することで、誰に届いたか・どこまで見られたかをデータで補えます。
Q6. MEDDICの質問リストはチームで共有すべきですか? A. はい。自社の商材に合わせた質問リストをチームで統一しておくと、担当者による見極めのばらつきがなくなります。ロールプレイで質問の仕方を練習し、実際に案件が動いた質問を蓄積・更新していくと、組織全体の案件管理の精度が上がります。属人的だった見極めが、再現可能な仕組みになります。

