28

2026.08

応酬話法の例文集|断り文句別の切り返しトークをそのまま使える形で

    応酬話法の例文は、断り文句ごとに「まず受け止める→裏の理由を質問で引き出す→証拠で応じる」という流れで組み立てるのが基本です。結論から言えば、断り文句に反射的に返すのではなく、一度受け止めてから真意を確かめる型を持っておくことが、切り返しの精度を高めます。この記事では、営業でよくある5つの断り文句別に、そのまま使える切り返しトーク例を紹介します。

    応酬話法そのものの種類や考え方は応酬話法とは?7つの種類と切り返しの型で解説しています。本記事は「そのまま使える例文」に特化した実用集です。

    この記事で分かることは次の3点です。

    • よくある5つの断り文句への切り返し例文

    • 反射的に返さず、裏の理由を引き出す質問例

    • 例文を使うときの注意点

    なお、断り文句の裏には社内事情が隠れていることが多くあります。コレタの独自調査(BtoB購買の実態調査2026)では、意思決定者全員に営業の声が届いている案件はわずか11.5%でした。例文をそのまま読み上げるのではなく、相手の本当の理由を確かめながら使うことが重要です。


    1. 「高い」への切り返し

    価格への反論は、本当に価格が理由とは限りません。「価値が価格に見合うと確信できない」「社内で予算を説明できない」といった裏があります。

    × 反射的な返し:「では、少しお値引きします」

    ◯ 切り返し例(質問話法+ブーメラン法)

    「ありがとうございます。価格はどのあたりと比較されていますか?(質問で真意を確認)……実は、初期費用がかかる分、運用支援まで含んでおり、導入後の定着率が高いのが特徴です。長く使うほど費用対効果が出る設計になっています(ブーメラン法)。」

    価格が本当の理由か、社内説明ができないことが理由かを見極めるのが先です。反射的な値引きは、提案の価値を自ら下げてしまいます。費用対効果を証拠つきで伝える型はFABE話法とは?4要素の意味・作り方を参照してください。


    2. 「他社と比較したい」への切り返し

    比較検討は自然な行動です。ここで焦って自社を売り込むより、比較の"基準"づくりを助ける方が信頼されます。

    × 反射的な返し:「うちが一番です。他社はやめた方がいいです」

    ◯ 切り返し例(質問話法+資料転換法)

    「もちろんです。比較は大事だと思います。差し支えなければ、どんな基準で選ばれる予定ですか?(質問)……もしよければ、選定時に見るべきポイントを整理した比較の観点をお渡しします。フェアに判断いただけるはずです(資料転換法)。」

    他社を否定すると、かえって不信感を生みます。比較の土俵を整えることで、結果的に自社が選ばれやすくなります。


    3. 「今は必要ない/時期じゃない」への切り返し

    タイミングの反論は、緊急度が伝わっていないサインです。ここでブーメラン法や示唆質問が効きます。

    × 反射的な返し:「そうですか、ではまたの機会に」

    ◯ 切り返し例(質問話法+示唆)

    「承知しました。ちなみに、この課題を今のまま置いておくと、半年後にはどのくらい影響が出そうでしょうか?(示唆質問)……今は急ぎでなくても、情報だけ先にお持ちいただくと、必要になったタイミングですぐ動けます。」

    「今は不要」を鵜呑みにせず、放置した場合の影響を相手自身に考えてもらうのがポイントです。この課題の影響を自覚させる質問はSPIN話法とは?4つの質問タイプと具体例で詳しく解説しています。


    4. 「必要性が分からない」への切り返し

    価値が伝わっていない状態です。機能を説明し直すより、相手の課題と結びつけることが有効です。

    × 反射的な返し:「機能をもう一度説明しますね」

    ◯ 切り返し例(質問話法+例話法)

    「ありがとうございます。今、御社で一番お困りなのはどのあたりでしょうか?(質問で課題を確認)……実は同じように"必要性が分からない"とおっしゃっていた同業のA社様が、導入後に◯◯の工数を大きく減らされた事例があります(例話法)。近い課題があれば、同じ効果が見込めます。」

    必要性は、機能ではなく「相手の課題との接点」で伝わります。相手の課題を引き出してから、事例で結びつけます。


    5. 「自分では決められない/権限がない」への切り返し

    これは断りではなく、社内の意思決定構造を教えてくれる貴重な情報です。押すのではなく、社内を通す支援に切り替えます。

    × 反射的な返し:「では決められる方につないでください」

    ◯ 切り返し例(質問話法+支援)

    「承知しました。差し支えなければ、社内ではどなたが検討に関わられますか?(質問で意思決定構造を確認)……であれば、その方に共有いただける形で、要点を1枚にまとめた資料をご用意します。社内で説明しやすいようにお手伝いさせてください(支援)。」

    BtoBでは87%が複数人で意思決定します。窓口担当者を"社内の推進者"として武装させる発想が有効です。稟議を通す設計は稟議が通らない理由と通してもらう方法で解説しています。

    このように「担当者が社内で提案をどう共有・検討しているか」を把握したい場面で役立つのが、AI搭載のデジタルセールスルーム『コレタ for Sales』です。渡した資料が社内の誰に共有され、どこまで見られたかが分かり、切り返しの後の一手を的確に打てます。→ コレタ for Sales の詳細はこちら


    6. 例文を使うときの3つの注意点

    例文は、そのまま暗記するより、型として使うのが効果的です。

    第一に、まず受け止める。どの例文も、いきなり反論せず「ありがとうございます」「承知しました」と受け止めから入っています。この一拍が、相手の本音を引き出します。

    第二に、質問で真意を確かめる。断り文句は表面にすぎません。反射的に切り返さず、まず「なぜそう思われるか」を質問で確認してから対応します。

    第三に、言い負かさない。論破しても受注は遠のきます。相手が自分で納得して前に進める状態を作ることがゴールです。切り返しの型をチームで整備する方法はセールスイネーブルメントの型化を参照してください。

    なお、顧客から鋭い"質問"(競合との違いやROIの根拠など)を投げられたときの回答例は顧客に聞かれて詰まる質問への回答例にまとめています。


    7. そもそも反論を減らす「予防」の視点

    切り返しの例文を磨くのと同じくらい大切なのが、反論そのものを減らす工夫です。多くの断り文句は、商談の前半で相手の課題や状況を十分に引き出せていれば、そもそも出てきません。

    たとえば「必要性が分からない」という反論は、提案の前に相手の課題を掘り下げていれば防げます。「高い」という反論も、価値と費用対効果を事前に丁寧に伝えていれば、和らぎます。つまり、優れた切り返しとは、商談の後半で慌てて返すことではなく、前半のヒアリングで反論の芽を摘んでおくことでもあります。

    コレタの調査では、買い手が営業に求める価値の1位は「自社に合う/合わないの整理」(50.0%)でした。相手の課題に合わせた提案ができていれば、反論は自然と減ります。反論が多いと感じたら、切り返しの技術だけでなく、ヒアリングと提案の質を見直すことも有効です。相手の課題を引き出す質問設計はSPIN話法とは?4つの質問タイプと具体例で解説しています。


    まとめ

    • 応酬話法の例文は「受け止める→質問で真意を引き出す→証拠で応じる」が基本

    • 「高い」「他社比較」「今は不要」「必要性が不明」「権限がない」の5つが頻出

    • 反射的に返さず、断り文句の裏の理由(多くは社内事情)を確かめる

    • 論破ではなく、相手が納得して前に進める状態を作るのがゴール

    応酬話法の例文は、型を持っておくことで、反論に慌てず対応できるようになります。まずは自社で頻出する断り文句を1つ選び、切り返しの型を用意してみてください。→ コレタ for Sales の詳細はこちら

    応酬話法の全体像は応酬話法とは?7つの種類と切り返しの型、最も多い「検討します」への対応は「検討します」への切り返し方をご覧ください。


    よくある質問(FAQ)

    Q1. 応酬話法の例文はどう使えばいいですか? A. そのまま暗記するより、「受け止める→質問で真意を引き出す→証拠で応じる」という型として使うのが効果的です。どの断り文句も、まず「ありがとうございます」と受け止め、反射的に切り返さず、なぜそう思うかを質問で確認してから対応します。相手の本当の理由に合わせて対応を変えることが、例文を活かすコツです。

    Q2. 「高い」と言われたときの切り返し例文は? A. すぐ値引きせず、まず「価格はどのあたりと比較されていますか?」と質問で真意を確認します。そのうえで「運用支援まで含み、長く使うほど費用対効果が出る設計です」とブーメラン法で価値を伝えます。価格が本当の理由か、社内で予算を説明できないことが理由かを見極めることが先決です。

    Q3. 「検討します」への切り返し例文はありますか? A. 「検討します」は最も多い断り文句で、社内事情が隠れていることが多いです。「差し支えなければ、社内ではどのように検討を進められますか?」と質問で状況を掴み、担当者が社内を通せるよう支援するのが有効です。詳しい対応法は「検討します」への切り返し方の専用記事で解説しています。

    Q4. 断り文句に反射的に返してはいけないのはなぜですか? A. 断り文句は表面にすぎず、裏に本当の理由(多くは社内事情)が隠れているからです。「高い」に反射的に値引きしても、本当の理由が「社内で説明できない」ことなら案件は動きません。まず質問で真意を確かめてから対応することで、的外れな切り返しを防げます。

    Q5. 応酬話法の例文をチームで共有するには? A. 自社で頻出する断り文句(「高い」「他社比較」「今は不要」など)をリストアップし、それぞれに「切り返しの型」と「裏に想定される社内事情」をセットで整理して共有します。ロールプレイで練習し、実際に効いた表現を蓄積・更新していくと、チーム全体の対応力が安定します。

    Q6. 例文どおりに切り返しても、うまくいきません。なぜですか? A. 例文を"そのまま読む"だけになっている可能性があります。断り文句の裏の理由は相手ごとに異なるため、同じ切り返しが常に効くわけではありません。まず質問で相手の本当の理由を確かめ、それに合わせて対応を変えることが重要です。特にBtoBでは社内事情が絡むため、相手の検討状況を把握したうえで切り返すと精度が上がります。

    記事をシェア

    コレタ for Salesのご利用をはじめてみませんか?

    コレタ for Sales

    を使ってみませんか?

    資料請求して相談しよう

    © NK Energy System Inc.