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2026.07
営業KPIの設定方法|結果指標では改善できない。プロセスKPIの作り方

営業KPIを設定しているのに、改善が進まない——そんな状態に陥っていないでしょうか。
原因は、見ている指標が2種類しかないことにあります。
行動量:架電数、訪問数、メール送信数
結果:受注数、売上、受注率
多くの組織は、この2つだけを管理しています。しかし、行動量を増やしても結果が出ないとき、その間で何が起きているのかが分かりません。
行動量と結果の間には、「プロセス」があります。 ここを測らない限り、改善の手がかりは永遠に得られません。
この記事でわかること:
営業KPIの3層構造(行動量・プロセス・結果)
従来のプロセスKPIが当てにならない理由
買い手の行動を測る、新しいプロセスKPIの作り方
1. 営業KPIの3層構造
営業のKPIは、3つの層で考えます。
層 | 例 | 性質 |
|---|---|---|
① 行動量 | 架電数・訪問数・メール送信数 | 自分で決められる(コントロール可能) |
② プロセス | 商談化率・提案到達率・資料閲覧率 | 改善の手がかりになる |
③ 結果 | 受注数・売上・受注率 | 直接は動かせない(結果でしかない) |
なぜ「結果」を追ってはいけないのか
「今月の受注を増やせ」と言われても、受注は直接コントロールできません。受注は、行動とプロセスの結果として現れるだけです。
結果KPIは、測るものであって、追うものではありません。
なぜ「行動量」だけではダメなのか
行動量は自分で決められます。だから多くの組織は、架電数や訪問数をKPIにします。
しかし——67.2%の買い手は営業電話に出ません(営業電話の実態調査)。しかも出ない理由の1位は「知らない番号には基本的に出ない」(44.1%)。
架電数を2倍にしても、出ない人は出ません。 行動量KPIは、成果に繋がらないまま現場を疲弊させます。
だから「プロセス」を測る
行動量と結果の間で、何が起きているかを測る。それがプロセスKPIです。
架電はしたが、会話できたか(有効会話率)
会話できたが、商談になったか(商談化率)
商談したが、提案まで進んだか(提案到達率)
提案したが、読まれたか
読まれたが、決裁者に届いたか
プロセスが分かれば、どこで詰まっているかが特定でき、そこだけを直せます。
2. 従来のプロセスKPIの限界
「商談化率」「フェーズ滞留日数」——こうしたプロセスKPIを設定している組織もあります。しかし、これらには決定的な弱点があります。
すべて、営業の申告に基づいている。
フェーズを「提案中」に進めるのは営業
確度をA/B/Cで入力するのも営業
「停滞している」と判断するのも営業
しかし営業は、案件の実態を知りません。
コレタのBtoB意思決定の実態調査2026では、
91%の買い手が商談後に社内で行動しているが、その約7割は営業に届いていない
87%が複数人で意思決定するが、意思決定者全員と話せた営業はわずか11.5%
営業が知らないことは、KPIにも入りません。 申告ベースのプロセスKPIは、実態を反映しないのです。
3. 新しいプロセスKPI:買い手の「行動」を測る
営業の申告ではなく、顧客の行動を指標にする
提案資料をデジタルセールスルーム(DSR)で共有すると、買い手の行動そのものが自動で記録されます。ここから、実態を反映したプロセスKPIが作れます。
新しいプロセスKPI | 定義 | 何が分かるか |
|---|---|---|
資料閲覧率 | 送った提案資料が開かれた割合 | 検討が始まっているか |
決裁者到達率 | 決裁者クラスが閲覧した案件の割合 | 提案が決裁の場に届いたか |
社内転送率 | 新しい閲覧者が現れた案件の割合 | 社内検討が始まったか |
精読率 | 資料を最後まで読まれた割合 | 提案の質 |
閲覧停止率 | 提案後、閲覧が途絶えた案件の割合 | どこで検討が止まったか |
これらはすべて、営業の主観ではなく事実です。 入力も不要です。
最重要KPIは「決裁者到達率」
BtoB購買の87%は複数人で意思決定しますが、意思決定者全員と話せた営業はわずか11.5%。つまり、多くの案件で提案は決裁の場に届いていません。
「決裁者到達率」は、失注の最大要因を直接測る指標です。この数字が低ければ、いくら商談数を増やしても受注は増えません。
このような「実態を反映したKPI」を測れるようにするのが、AI搭載のデジタルセールスルーム「コレタ for Sales」です。営業の入力なしに、買い手の行動データが蓄積されます。
4. 営業KPIの設計手順(4ステップ)
ステップ1:結果KPIを1つに絞る
「受注額」なのか「受注件数」なのか。追う結果を1つに決めます。 複数あると、現場は優先順位を判断できません。
ステップ2:ボトルネックを特定する
パイプラインのどこで落ちているかを見ます。
リードは十分か
商談化しているか
提案まで進んでいるか
提案後、止まっていないか
→ パイプライン営業とは?管理の基本・フェーズ設計・受注率改善
ステップ3:ボトルネックのプロセスKPIを設定する
全部を測ろうとしないでください。 ボトルネックに直結する指標だけを、2〜3個に絞ります。
提案後に止まるなら → 資料閲覧率・決裁者到達率
商談化しないなら → 有効会話率・商談化率
受注率が低いなら → 決裁者到達率・精読率
ステップ4:週次でレビューし、行動を変える
KPIは、見るだけでは意味がありません。会議のアジェンダに組み込み、行動を変えてください。
「決裁者到達率が30%」→ 決裁者向け資料を全案件で用意する
「閲覧停止率が高い」→ 提案書の構成を見直す
→ 営業会議が「意味ない」と言われる理由|詰める場から勝ちを作る場に変える進め方
5. KPI設計でよくある失敗
失敗①:KPIが多すぎる
10個のKPIは、KPIがないのと同じです。2〜3個に絞ってください。
失敗②:行動量だけをKPIにする
架電数を追うと、質が犠牲になります。67.2%が電話に出ない時代に、架電数KPIは疲弊しか生みません。
失敗③:営業の申告に依存する
確度A/B/Cは営業の主観です。検証できない指標は、KPIとして機能しません。
→ 受注予測が当たらない理由|フォーキャスト精度を上げる方法
失敗④:KPIが「詰める材料」になる
数字が未達だと詰める——これをやると、現場はデータを正直に入れなくなります。KPIは改善の材料であって、追及の材料ではありません。
6. まとめ
営業KPIは3層で考える:①行動量(コントロール可能)②プロセス(改善の手がかり)③結果(測るだけ)
結果は追えない。行動量だけでは改善できない。 鍵はプロセスKPI
従来のプロセスKPI(商談化率・滞留日数)は営業の申告ベースで、実態を反映しない
91%が商談後に社内で動くが、その7割は営業に届かない。 営業が知らないことはKPIにも入らない
新しいプロセスKPIは、買い手の行動を測る:資料閲覧率・決裁者到達率・社内転送率・精読率・閲覧停止率
最重要は決裁者到達率。87%が複数人で決めるのに、全員と話せた営業は11.5%しかいない
KPIは、詰める材料ではありません。どこで詰まっているかを教えてくれる、地図です。
営業マネジメント全体(マネージャーの4つの仕事)は、営業マネジメントとは?マネージャーの4つの仕事と、成果が出るチームの作り方で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 営業のKPIは何を設定すればいいですか?
A: 3層で考えます。①行動量(架電数・訪問数)②プロセス(商談化率・資料閲覧率・決裁者到達率)③結果(受注数・売上)。重要なのは②のプロセスKPIです。結果は直接動かせず、行動量だけでは改善の手がかりが得られません。まずボトルネックを特定し、そこに直結する指標を2〜3個に絞ってください。
Q2. 架電数をKPIにするのは適切ですか?
A: 単独では不適切です。調査では67.2%の買い手が営業電話に出ず、理由の1位は「知らない番号には基本的に出ない」(44.1%)でした。架電数を2倍にしても出ない人は出ません。有効会話率や商談化率など、質の指標と併用してください。
Q3. プロセスKPIとは何ですか?
A: 行動量と結果の間で何が起きているかを測る指標です。商談化率、提案到達率、資料閲覧率、決裁者到達率などが該当します。どこで詰まっているかを特定でき、改善の手がかりになります。
Q4. 「決裁者到達率」とは何ですか?
A: 提案資料を決裁者クラスが閲覧した案件の割合です。BtoB購買の87%は複数人で意思決定しますが、意思決定者全員と話せた営業はわずか11.5%です。つまり多くの案件で提案は決裁の場に届いていません。失注の最大要因を直接測る指標であり、最も重要なプロセスKPIです。
Q5. KPIはいくつ設定すべきですか?
A: 2〜3個に絞ってください。10個のKPIは、KPIがないのと同じです。ボトルネックに直結する指標だけを選び、週次会議で行動を変えることに使ってください。
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最終更新: 2026年6月 | デジタルセールスナビ編集部

