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2026.07
受注予測が当たらない理由|営業のフォーキャスト精度を上げる方法【BtoB】

「今月は固い」と言っていた案件が、月末に消える。逆に「厳しい」と言っていた案件が、突然決まる。
営業マネージャーなら、誰もが経験しているはずです。受注予測(フォーキャスト)は、なぜこれほど当たらないのか。
答えは、営業のスキル不足でも、報告の甘さでもありません。営業の申告に基づく予測は、原理的に当たらないからです。
コレタのBtoB意思決定の実態調査2026(n=100)は、その理由を明確に示しています。
91%の買い手が商談後に社内で行動しているが、その約7割は営業に届いていない
BtoB購買の87%は複数人で意思決定するが、意思決定者全員と話せた営業はわずか11.5%
社内行動を営業に伝えない理由の最多は「社内の合意が固まる前に外部へ出せない」(61.9%)
つまり、営業は、案件が本当に進んでいるかどうかを知りません。 知らない人の申告を集計しても、予測は当たりません。
この記事でわかること:
受注予測が当たらない5つの構造的な理由
「確度A/B/C」が機能しない理由
顧客の行動データで、予測精度を上げる方法
1. 受注予測が当たらない5つの理由
理由①:営業は、顧客社内の検討を見ていない
最も本質的な理由です。
商談が終わった瞬間から、検討は営業の見えないところで進みます。91%が社内で動いているのに、その約7割は営業に届いていません。
営業が見ているのは、氷山の一角です。その一角だけを見て「固い」「厳しい」と判断しているのですから、外れて当然です。
理由②:「確度A/B/C」は、営業の主観でしかない
多くの組織で、案件の確度はA/B/C(あるいは%)で管理されています。しかし、その判定基準は何でしょうか。
「担当者の反応が良かったから、A」
「あまり返事がないから、C」
これは根拠のない主観です。しかも、顧客の沈黙は「興味がない」のサインではありません。61.9%は「社内合意が固まる前だから話せない」だけです。つまり、沈黙している案件ほど、実は社内で真剣に検討されている可能性があります。
営業は、沈黙を「脈なし」と読み違えているのです。
理由③:営業には、予測を歪めるインセンティブがある
目標未達が見えていると、案件を楽観的に見積もる
逆に、達成が見えていると、来月に案件を回す
これは営業個人の問題ではなく、申告制という仕組みが必然的に生む歪みです。
理由④:決裁の場に、営業はいない
87%が複数人で意思決定し、意思決定者全員と話せた営業は11.5%。営業が話せているのは、多くの場合、窓口担当者だけです。
担当者の温度感は、決裁の結果と一致しません。 担当者が熱心でも、決裁者が首を縦に振らなければ受注はゼロです。
理由⑤:予測の根拠が「会話」に依存している
「その後いかがですか?」と電話しても、67.2%は営業からの電話に出ません(営業電話の実態調査)。
予測の根拠を、返ってこない返事に依存している。 これが構造的な破綻です。
2. 予測精度を上げる方法:主観を「行動データ」に置き換える
発想の転換
問題の立て方を変えます。
❌ 「営業に、もっと正確に申告させるにはどうするか」 ⭕ 「営業の申告に頼らず、案件の実態を測るにはどうするか」
営業が知らないことを、営業に聞いても意味がありません。顧客の行動そのものを見る——これが唯一の解です。
行動データで確度を測る
提案資料をデジタルセールスルーム(DSR)で共有すると、次のデータが自動で取得できます。
行動データ | 読み取れること |
|---|---|
資料が閲覧されたか/されていないか | 検討が動いているか、止まっているか |
新しい閲覧者が現れたか | 担当者が社内の誰かに転送した=社内検討が始まった |
役員・部長クラスが閲覧したか | 決裁プロセスに乗った |
どのページが長く読まれたか | 何が刺さっているか/どこが懸念か |
閲覧が止まったのはいつか | どこで検討が停滞したか |
これらは、営業の主観ではなく事実です。
新しい確度判定の基準
「担当者の反応が良い」ではなく、行動で判定します。
確度 | 判定基準(行動ベース) |
|---|---|
高 | 決裁者クラスが資料を閲覧している/複数の関係者が繰り返し閲覧している |
中 | 担当者が継続的に閲覧しているが、新しい閲覧者は現れていない |
低 | 提案後、資料が一度も開かれていない/閲覧が完全に止まった |
沈黙していても、役員が資料を見ていれば確度は高い。 逆に、担当者が愛想よくても、資料が開かれていなければ確度は低い。これが実態に即した判定です。
実際、調査では83%の買い手が「専用の確認ページ(DSR)を社内検討で活用したい」と回答しており、この形は買い手にも歓迎されます。
このような「案件の実態を行動で測る」仕組みを提供するのが、AI搭載のデジタルセールスルーム「コレタ for Sales」です。営業の主観ではなく、顧客の行動でフォーキャストを組み立てられます。
3. 予測精度を上げる4つの実務ステップ
ステップ1:確度の判定基準を「行動」で再定義する
A/B/Cの定義を、営業の感触ではなく行動データで書き換えます。前章の表をそのまま社内基準にできます。
ステップ2:フェーズの昇格条件を明確にする
各商談フェーズに昇格条件(Exit Criteria)を設けます。「提案済み」ではなく「提案書を関係者3名以上が閲覧済み」といった、検証可能な条件にします。
→ 営業フェーズとは?商談フェーズの設計方法と4段階モデル → パイプライン営業とは?管理の基本・フェーズ設計・受注率改善
ステップ3:週次会議を「主観報告」から「データレビュー」に変える
❌「感触は悪くないです」「たぶん進んでいます」
⭕「提案書を3名が閲覧、うち部長が2回見ています」
会議のアジェンダを、行動データに置き換えてください。 これだけで、予測の議論の質が変わります。
ステップ4:外れた予測を振り返る
読み違えた案件を集計し、「なぜ外れたか」を構造化します。多くは「決裁者に届いていなかった」に収束します。
→ 失注分析とは?原因の特定方法と受注率を上げる改善ステップ
4. SFAに入力させても、予測は当たらない
「SFAの入力を徹底させれば予測精度が上がる」と考えるマネージャーは多いのですが、これは誤りです。
営業が知らないことは、入力できません。 入力率を100%にしても、入力されるのは「営業が見ている一角」だけです。
必要なのは入力の徹底ではなく、営業が見ていない場所のデータを自動で取ることです。この転換についてはSFAが定着しない5つの理由で詳しく解説しています。
案件の見極めフレームであるBANTも、同じ理由でアップデートが必要です。→ BANT条件とは?「BANTは古い」と言われる理由
5. まとめ
受注予測が当たらないのは、営業のスキル不足ではなく構造の問題
91%の買い手が商談後に社内で動くが、その約7割は営業に届かない。営業は案件の実態を知らない
「確度A/B/C」は根拠のない主観。しかも沈黙している案件ほど、社内で真剣に検討されている可能性がある(61.9%が「社内合意前だから話せない」)
打ち手は、営業の申告を、顧客の行動データに置き換えること
判定基準:決裁者が資料を閲覧している=確度高/資料が一度も開かれていない=確度低
週次会議を「感触の報告」から「データのレビュー」へ変える
予測が当たらないのは、営業が嘘をついているからではありません。営業も、本当のことを知らないからです。知る手段を持たせてください。
あわせて読みたい
そもそもSFAが入力されない・形骸化している場合はSFAが定着しない5つの理由を先にご覧ください。
- 予測を語る場である会議の変え方は営業会議が「意味ない」と言われる理由で解説しています。
営業マネジメント全体(マネージャーの4つの仕事)は、営業マネジメントとは?マネージャーの4つの仕事と、成果が出るチームの作り方で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 営業の受注予測が当たらないのはなぜですか?
A: 営業が案件の実態を知らないためです。調査では91%の買い手が商談後に社内で行動していますが、その約7割は営業に届いていません。また87%が複数人で意思決定するのに、意思決定者全員と話せた営業は11.5%です。営業が見ているのは氷山の一角であり、その申告を集計しても予測は当たりません。
Q2. 確度A/B/Cの判定基準はどう決めればいいですか?
A: 営業の感触ではなく、行動データで定義してください。「決裁者クラスが資料を閲覧している=確度高」「担当者は見ているが新しい閲覧者が現れない=中」「提案後に資料が一度も開かれていない=低」といった、検証可能な基準にします。
Q3. 顧客が沈黙している案件は、脈なしと判断すべきですか?
A: いいえ。むしろ逆の可能性があります。調査では、社内行動を営業に伝えない理由の最多が「社内の合意が固まる前に外部へ出せない」(61.9%)でした。沈黙している案件ほど、社内で真剣に検討されていることがあります。資料の閲覧状況を見れば、実態が分かります。
Q4. SFAの入力を徹底すれば、予測精度は上がりますか?
A: 上がりません。営業が知らないことは入力できないためです。入力率を100%にしても、入力されるのは営業が見ている範囲だけです。必要なのは、営業が見ていない場所(顧客社内の検討)のデータを自動で取得することです。
Q5. 週次の営業会議はどう変えればいいですか?
A: 主観報告からデータレビューへ変えてください。「感触は悪くないです」ではなく「提案書を3名が閲覧、うち部長が2回見ています」という会話にします。行動データを共通言語にすることで、予測の議論の質が根本から変わります。
🌟 「感触」ではなく「行動」でフォーキャストを組む
コレタ for Salesは、提案資料の閲覧ログから誰が・いつ・何を見たか、決裁者に届いたかを可視化するデジタルセールスルームです。営業の主観に頼らない、事実ベースの受注予測を実現します。
最終更新: 2026年6月 | デジタルセールスナビ編集部

