14

2026.07

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは?進め方と、成果が出ない最大の壁  

    ABM(Account Based Marketing/アカウントベースドマーケティング)とは、成果につながる可能性の高い特定企業(アカウント)を絞り込み、そこにマーケティングと営業のリソースを集中させる手法です。

    「広く網を張る」従来のリード獲得とは逆に、「狙った企業を、確実に落とす」という発想に立ちます。

    しかし、ABMを掲げながら成果が出ない組織は少なくありません。ターゲットリストは作った。コンテンツも用意した。それでも、案件が動かない。

    なぜか。ABMの本質が、実行できていないからです。

    ABMとは、「アカウント内の意思決定者"全員"を動かすこと」です。

    そして、ここに最大の壁があります。コレタのBtoB意思決定の実態調査2026では、

    • BtoB購買の87%は複数人で意思決定しており、4名以上が関わるケースが64%

    • しかし、意思決定者全員と話せた営業はわずか11.5%

    多くの組織は、ABMを標榜しながら、実際にはアカウント内の一人(窓口担当者)としか繋がっていません。

    この記事でわかること:

    • ABMとは何か、従来の手法と何が違うのか

    • ABMで成果が出ない最大の壁「バイイングセンターが見えない」問題

    • 実行可能なABMの進め方(5ステップ)

    1. ABMとは?

    定義

    ABMとは、成果の期待できる特定企業(アカウント)を選定し、その企業に対してマーケティングと営業が一体でアプローチする手法です。

    「リードを大量に集めて、その中から見込みのあるものを探す」のではなく、「最初から狙う企業を決めて、そこに集中する」という逆転の発想です。

    従来のリード獲得との違い

    従来のリード獲得

    ABM

    起点

    個人(リード)

    企業(アカウント)

    アプローチ

    広く集めて絞る

    最初から絞って集中する

    対象

    問い合わせてきた人

    狙った企業の意思決定者全員

    指標

    リード数

    アカウント内の浸透度

    向く商材

    単価が低い・数を捌く

    単価が高い・大型案件

    なぜABMが注目されるのか

    BtoBの購買は、個人ではなく組織が決めるからです。

    一人の担当者が資料請求しても、その人だけでは買えません。87%が複数人で意思決定し、4名以上が関わるケースが64%個人(リード)を追う発想では、そもそも購買の実態に合っていないのです。

    2. ABMで成果が出ない最大の壁:バイイングセンターが見えない

    バイイングセンターとは

    アカウント内で購買の意思決定に関わる人々の集団を、バイイングセンターと呼びます。

    典型的には、

    • 窓口担当者(情報収集し、社内を推進する)

    • 利用部門の責任者(現場のニーズを判断する)

    • 決裁者(予算を承認する)

    • 情報システム部門(セキュリティ・連携を審査する)

    • 調達・購買部門(価格・契約を精査する)

    ABMとは、この全員に働きかけることです。 窓口担当者一人を攻略しても、ABMにはなりません。

    しかし、営業には見えない

    ここが最大の壁です。

    • 意思決定者全員と話せた営業は、わずか11.5%

    • 91%の買い手が商談後に社内で行動するが、その約7割は営業に届いていない

    • 社内行動を営業に伝えない理由の最多は「社内合意が固まる前に外部へ出せない」(61.9%)

    営業は、アカウント内で誰が関与しているかを知りません。 知らない相手に、リソースを集中できるはずがありません。

    「ターゲット企業は決めた。しかし、その企業の"誰"にアプローチすべきかが分からない」 ——これがABMが空回りする理由です。

    3. 打ち手:バイイングセンターを「行動」で可視化する

    資料が「誰に転送されたか」を見る

    窓口担当者に渡した提案資料は、社内で共有されます。その共有先こそが、バイイングセンターです。

    提案資料をデジタルセールスルーム(DSR)で共有すれば、

    見えること

    ABMにおける意味

    新しい閲覧者が現れた

    バイイングセンターのメンバーが判明した

    役員・部長クラスが閲覧した

    決裁者が検討に入った

    複数部署から閲覧されている

    全社的な検討に発展している

    特定の人だけが見ている

    社内に共有されていない=浸透していない

    誰も開いていない

    検討が止まっている

    アカウント内の浸透度が、データで測れます。 これこそが、ABMの本来の指標です。

    このような「アカウント内の関与者を可視化する」仕組みを提供するのが、AI搭載のデジタルセールスルーム「コレタ for Sales」です。誰が・いつ・何を見たかから、バイイングセンターをマッピングできます。

    見えたら、人ごとにコンテンツを変える

    バイイングセンターが見えれば、役割ごとに必要な情報を届けられます

    関与者

    関心事

    渡すべきもの

    窓口担当者

    社内をどう説得するか

    稟議テンプレート・1枚サマリー

    利用部門の責任者

    現場が使えるか

    使い方・導入事例

    決裁者

    投資対効果・リスク

    ROI・他社事例・比較表

    情シス

    セキュリティ・連携

    セキュリティ資料・API仕様

    これが「アカウント内の意思決定者全員を動かす」ということです。

    決裁者とは?意思決定者との違い・見極め方稟議が通らない理由とは?顧客の社内稟議を通してもらう5つの方法

    4. 実行可能なABMの進め方(5ステップ)

    ステップ1:ターゲットアカウントを絞る

    「取れそうな企業」ではなく、「取れたら大きい企業」×「勝てる可能性がある企業」で選びます。数は絞ってください。100社のABMは、ABMではありません。

    ステップ2:バイイングセンターの仮説を立てる

    その企業では、誰が関わりそうか。役職・部署の仮説を先に立てます。

    ステップ3:窓口担当者に「社内で共有される資料」を渡す

    ここが実務の要です。57.1%の担当者は、営業資料をそのまま使わず自分でまとめ直しています。 つまり、そのままでは社内に回りません

    専門用語を排し、1枚サマリーを添え、そのまま転送できる形で渡してください。

    提案書の作り方|社内で"そのまま使われる"構成

    ステップ4:閲覧データでバイイングセンターを特定する

    新しい閲覧者が現れたら、それがバイイングセンターのメンバーです。仮説と照合し、マップを更新します。

    ステップ5:関与者ごとにコンテンツを出し分ける

    決裁者が閲覧したら、決裁者向けの資料を追加で届ける。情シスが見たら、セキュリティ資料を出す。アカウント内の浸透を、一人ずつ進めます。

    5. ABMのKPIは「リード数」ではない

    ABMを始めたのに、KPIがリード数のままになっていないでしょうか。

    ABMのKPIは、アカウント内の浸透度です。

    ABMのKPI

    定義

    アカウント内閲覧者数

    何人が資料を見たか

    決裁者到達率

    決裁者クラスが閲覧した割合

    部署横断率

    複数部署から閲覧されているか

    商談化率(アカウント単位)

    ターゲット企業のうち商談化した割合

    最重要は決裁者到達率です。87%が複数人で決めるのに、全員と話せた営業は11.5%——ここを直接測る指標が要ります。

    営業KPIの設定方法|結果指標では改善できない。プロセスKPIの作り方

    6. まとめ

    • ABMとは、狙った企業(アカウント)にリソースを集中させ、その中の意思決定者"全員"を動かす手法

    • BtoB購買の87%は複数人で意思決定(4名以上が64%)。個人(リード)を追う発想は購買実態に合っていない

    • ABM最大の壁は「バイイングセンターが見えない」こと。意思決定者全員と話せた営業はわずか11.5%

    • 打ち手は、資料が社内の誰に転送され、誰が見たかを可視化すること。それがバイイングセンターのマップになる

    • 見えたら、関与者ごとにコンテンツを出し分ける(担当者には稟議テンプレ、決裁者にはROI、情シスにはセキュリティ)

    • ABMのKPIはリード数ではなく、アカウント内の浸透度(特に決裁者到達率)

    ABMとは、企業を選ぶことではありません。選んだ企業の、全員に届けることです。

    営業マネジメント全体(マネージャーの4つの仕事)は、営業マネジメントとは?マネージャーの4つの仕事と、成果が出るチームの作り方で解説しています。

    よくある質問(FAQ)

    Q1. ABM(アカウントベースドマーケティング)とは何ですか?

    A: 成果につながる可能性の高い特定企業(アカウント)を絞り込み、マーケティングと営業のリソースを集中させる手法です。個人(リード)ではなく企業を起点にし、そのアカウント内の意思決定者全員に働きかけることを目指します。単価が高い・大型案件の商材に向いています。

    Q2. ABMで成果が出ないのはなぜですか?

    A: アカウント内の意思決定者が見えていないためです。BtoB購買の87%は複数人で意思決定しますが、意思決定者全員と話せた営業はわずか11.5%でした。多くの組織はABMを掲げながら、実際には窓口担当者一人としか繋がっていません。

    Q3. バイイングセンターとは何ですか?

    A: アカウント内で購買の意思決定に関わる人々の集団です。窓口担当者、利用部門の責任者、決裁者、情報システム部門、調達・購買部門などが含まれます。ABMとは、この全員に働きかけることを意味します。

    Q4. アカウント内の関与者は、どうすれば把握できますか?

    A: 提案資料の閲覧ログを見ることです。窓口担当者に渡した資料が社内で共有されると、新しい閲覧者が現れます。その人たちがバイイングセンターのメンバーです。デジタルセールスルームを使えば、誰が・いつ・何を見たかが自動で記録されます。

    Q5. ABMのKPIは何を設定すべきですか?

    A: リード数ではなく、アカウント内の浸透度です。アカウント内閲覧者数、決裁者到達率、部署横断率、アカウント単位の商談化率などが該当します。最重要は決裁者到達率です。


    🌟 アカウント内の「誰が動いているか」を可視化する

    コレタ for Salesは、提案資料が社内の誰に転送され、誰が閲覧したかを可視化するデジタルセールスルームです。バイイングセンターをデータでマッピングし、関与者ごとに情報を届けられます。

    最終更新: 2026年6月 | デジタルセールスナビ編集部

    記事をシェア

    コレタ for Salesのご利用をはじめてみませんか?

    コレタ for Sales

    を使ってみませんか?

    資料請求して相談しよう

    © NK Energy System Inc.