アポ取得率6.6%→21%|閲覧データで架電先を選ぶ、harmoのDSR活用【事例】

アポイントの取得率が6.61%から21%へ。harmo株式会社が実現した変化です。ただし、これは架電の回数を増やした結果ではありません。反応のある相手にだけ架電するようにした結果です。
同じ人数、同じトークでも、かける相手が変われば結果は変わります。この記事では、harmoが誰にかけるかをどう決めたのか、そして社内にあった「この業界では使えない」という懸念をどう越えたのかを解説します。
この記事で分かることは、次の4点です。
架電先を閲覧データで選ぶ方法と、その効果
デジタルに不慣れな業界でも使えるのかという問いへの答え
約400名規模のナーチャリング運用
他社が再現するための手順
事例の詳細(インタビュー本文)はharmo株式会社の導入事例でご覧いただけます。
1. 導入前の課題|少人数で、優先順位がつけられない
harmoは、医療・ヘルスケアとITサービスの領域で、電子お薬手帳や運送業向けの健康支援のサービスなどを提供しています。導入前には、次の課題がありました。
顧客ごとに資料を整えてメールで送る作業に時間がかかっていた
少人数の体制のため、どの見込み客を優先すべきか判断できなかった
顧客の関心や検討の状況が見えなかった
3つ目が、2つ目を引き起こしています。誰が関心を持っているか分からないから、優先順位がつけられない。結果として、全員に同じ頻度で連絡するか、勘で順番を決めることになります。
買い手側から見ると、この状況は歓迎されません。コレタが2026年3月に実施した調査(n=250)では、67.2%が営業電話に出なかった経験を持ち、最も多い理由は「知らない番号には出ない(44.1%)」でした。詳しくは電話営業が敬遠される理由で解説しています。
2. 「この業界では使えない」という社内の懸念
導入前、社内には2つの懸念がありました。
運送業の顧客は、デジタルへの慣れが十分ではないのではないか
製薬企業のパートナーは、セキュリティの要件が厳しく使えないのではないか
どちらも、多くの企業が新しい仕組みを入れるときに出てくる反対意見です。結果として、いずれの懸念も実際には障害にならなかったと事例では語られています。
ここから学べるのは、業界の性質ではなく、渡し方の設計で決まるということです。ログインが不要で、URLひとつで開ける形であれば、デジタルに不慣れな相手でも閲覧できます。セキュリティについては、アクセス権限やダウンロード制御の仕様を先に提示すれば、確認の土台に乗ります。情報システム部門が関わる場面での進め方は決裁者・キーパーソンへのアプローチも参考になります。
3. 何をしたのか|資料をそろえ、部屋を分ける
harmoの使い方は、次の4つです。
使い方 | 内容 |
|---|---|
資料の標準化 | 顧客ごとに作り直すのをやめ、ポータルに標準の資料をそろえた |
共有の部屋 | パートナー候補向けに、共通のナーチャリング用の部屋を用意した |
個別の部屋 | 契約済みのパートナーには、個別の部屋を用意した |
議事録の置き換え | 月次の議事録を、チャットでのやり取りの記録に置き換えた |
共有の部屋には、約400名が参加しています。1対1で送っていた情報提供を、1対多に切り替えたということです。ナーチャリングの考え方は見えないナーチャリングとは、仕組みの全体像はデジタルセールスルームとは?機能・比較・選び方で解説しています。
4. 成果|かける相手を変えると、結果が変わる
指標 | 変化 |
|---|---|
アポ取得率 | 6.61% → 21%(閲覧データで反応のある相手に絞って架電した場合) |
ナーチャリングの部屋 | 約400名が参加 |
パートナーの関与 | アクセスの頻度から、関心の度合いを判断できるようになった |
21%という数字は、全件に架電した場合の数値ではありません。ポータルの閲覧データで反応が見える相手に絞ったときの結果です。ここを誤解すると、再現できません。
つまり、変えたのは架電のトークでも、架電の量でもありません。架電の前に、誰にかけるかを決める材料を持ったことです。閲覧の動きから関心を読み取る方法は買い手の購買シグナルを検知する方法にまとめています。
こんな企業に向いています——架電の優先順位を勘で決めている、少人数でリードを追いきれない、関心の高い相手を見分けたい。デジタルセールスルーム『コレタ for Sales』は、資料の閲覧状況を可視化し、反応のある相手を営業に知らせます。→ コレタ for Sales の詳細はこちら
5. 他社が再現するための4ステップ
ステップ1:標準の資料をそろえる
顧客ごとに作り直している資料を、まず標準形にします。業種別に3パターンほどあれば十分です。作り分けのコツはバイヤーイネーブルメントのコンテンツ7種類と作り方で解説しています。
ステップ2:まだ商談に至っていない相手に、共有の部屋を用意する
すぐ商談にならない相手にも、情報だけは届けられる場所をつくります。harmoの共有の部屋がこれにあたります。メール配信と違い、誰が何を見たかが分かるのが利点です。
ステップ3:反応を見てから架電する
閲覧のあった相手に絞って架電します。順番は次の通りです。
資料を見た人をリストにする
複数回見た人、料金や事例のページを見た人を上位に置く
上位から架電し、見た内容に触れて話し始める
「先日、料金のページをご覧いただいていたので」と話し始められるだけで、会話の入り方が変わります。インサイドセールスの指標設計はインサイドセールスのKPIも参考にしてください。
ステップ4:反応がない相手は、頻度を落とす
閲覧のない相手に架電を続けると、心理的な距離が広がります。調査でも19.2%が「営業とのやり取りが負担だった」を検討停滞の理由に挙げています。反応がない相手には、情報提供だけを続け、動きが出てから連絡します。この進め方は非同期営業とは?意味・進め方・使い分けで解説しています。
6. 架電先を選ぶときの注意点
閲覧データで架電先を選ぶ方法には、2つの落とし穴があります。
① 閲覧がある=検討中とは限らない:競合調査で見ている場合や、採用目的で見ている場合もあります。架電の前に、どのページをどの順番で見ているかを確認すると精度が上がります。料金と事例をあわせて見ている相手は、検討の可能性が高いといえます。
② 閲覧がない=脈なしとも限らない:そもそも資料が届いていない、宛先が見ていない、といった理由も考えられます。まったく閲覧がない状態が続く場合は、送り先と渡し方そのものを見直してください。共有方法の違いは営業資料の共有方法と閲覧が見える共有で整理しています。
この2点を踏まえると、閲覧データは「優先順位をつけるための材料」であって、白黒をつけるものではないことが分かります。
7. この事例が示していること
harmoの事例で重要なのは、次の2点です。
① 成果は、行動の量ではなく選び方で変わる:同じ人数、同じトークでも、かける相手を変えれば取得率は3倍以上になり得ます。少人数の組織ほど、この差は大きくなります。
② 業界の性質は、思っているほど障害にならない:運送業でも製薬企業でも、渡し方の設計次第で使えます。使えないと決める前に、1社で試してみる価値があります。
検討が止まる構造や、買い手が何を必要としているかはBtoB購買の実態調査2026、買い手側を支える設計の全体像はバイヤーイネーブルメントとは?意味と実践4ステップで解説しています。
こんな企業に向いています——架電しても出てもらえない、少人数でリード全体を追えない、契約後のパートナー支援にも同じ場を使いたい。コレタ for Salesは、関心のある相手を見つけ、優先順位をつけられるデジタルセールスルームです。→ コレタ for Sales の詳細・資料請求はこちら
よくある質問(FAQ)
Q1. アポ取得率6.61%から21%は、どういう条件での数字ですか? A. ポータルの閲覧データで反応が見えた相手に絞って架電した場合の数値です。全件に架電した場合の数字ではありません。再現するには、まず閲覧データが取れる状態をつくることが前提になります。
Q2. 架電の優先順位は、どの指標で決めればよいですか? A. 閲覧の有無、閲覧の回数、見たページの種類の3つです。料金や導入事例のページを複数回見ている相手は、検討が進んでいる可能性が高いといえます。
Q3. デジタルに不慣れな業界の顧客でも使えますか? A. harmoでは、運送業の顧客に対する懸念がありましたが、実際には障害になりませんでした。ログインを求めず、URLひとつで開ける形にすることが条件です。
Q4. セキュリティ要件の厳しい業界でも導入できますか? A. harmoでは製薬企業のパートナーに関する懸念がありましたが、結果として問題にはなりませんでした。アクセス権限やダウンロード制御の仕様を先に整理し、情報システム部門に提示することが現実的な進め方です。
Q5. まだ商談に至っていない相手にも使えますか? A. 使えます。harmoでは、パートナー候補向けの共有の部屋に約400名が参加しています。メール配信と違い、誰が何を見たかが分かるため、次に連絡すべき相手を選べます。
Q6. 架電をやめるべき相手は、どう判断しますか? A. 閲覧がまったくない状態が続いている相手です。この場合は連絡の頻度を落とし、情報提供だけを続けます。調査では19.2%が営業とのやり取り自体を検討停滞の理由に挙げています。
Q7. 少人数のチームでも運用できますか? A. 少人数のチームほど向いています。追いきれないリードの中から、反応のある相手だけを選べるようになるためです。harmoも、少人数の体制での優先順位づけが導入の動機でした。


